がけ)” の例文
思いがけなく閉籠とじこめ黒白あやめも分かぬ烏夜玉うばたまのやみらみっちゃな小説が出来しぞやと我ながら肝をつぶしてこの書の巻端に序するものは
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
請けもどし度とかねて心がけ居たることなれば江戸へ出て一かせぎなさんと思ひ九郎兵衞とも種々相談なせし上女房お里にも得心とくしんさせ夫より九助は支度を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そらぶ——火事くわじはげしさにまぎれた。が、地震ぢしん可恐おそろしいためまちにうろついてるのである。二階にかいあがるのは、いのちがけでなければらない。わたし意氣地いくぢなしの臆病おくびやう第一人だいいちにんである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふる葛籠つゞらより取出して此通りと長八の前へ並べて見せければ長八はほとんど感心かんしんなし流石さすがは大橋氏御省愼おたしなみほど感心仕つり候然程さほど迄の御心がけあるとはゆめさら知ず失敬の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はかるに非ず五六年もくるしみなば元の田畑でんばた取戻とりもどすことも出來左すれば村長にも成る家柄いへがらゆゑ先祖せんぞへの孝養かうやうと思ひかねて心がけ置たる錢十貫文之をのこおかば當時の暮し方は澤山たくさんあらん來年は給金のなかば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)