絶壁がけ)” の例文
友吉の大好物だった虎鰒とらふぐを、絶壁がけの下から投上げてくれた漁師やつがあったからね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
奥様はまだ何か言いたそうにして、それを言得ないで、深い歎息ためいき御吐おつきなさるばかりでした。危い絶壁がけの上に立って、谷底でも御覧なさるような目付をなさりながら、左右を見廻して震えました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)