がい)” の例文
かく判明せる原因は、がい要保護人を署内(目白署)に収容せる後に至りて、該人物が巧妙なるかつらかむり居たることを発見せるにる。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ある人は一年後に濠洲の真珠業が廃滅するに際し日本へ帰るがい地の人夫一万人をこの地で喰ひ止める事が出来ると云つて楽観して居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
少なくとも三十分、或時の如きは一時間と二十三分も遲れて居ましたと、土曜日毎にがい停車場から程遠くもあらぬ郷里へ歸省する女教師が云つた。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『如何なる犯罪を行ひたりといへども、がい犯罪を行はしめたる事情の消失したる後は該犯罪者を処罰することを得ず』
河童 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「さて早速申し上げる、先日はお手紙と不思議の白粉はくふん、よくお送りくだされた。まずもってお礼申し上げる。しかるにお送りのがい白粉、とんと性質が解らなくてな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余の頭上にいなごをとまらせ、「ほれ見ろ、こうしてもこの人は怒らない」と組下の者共に云い、さらにがい蝗を余の衿首えりくびの中へ入れて、「こうしたって怒らない」と者共を振返り
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その愛人の好みに任せて狩猟服を着たる姿をがい画工が執筆せしものなるが、評判の傑作なりしためその製作の途中に於て盗難にかかり、転々して英国に渡りたるものなるを以て
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
がい穴ニ線条(7)ヲ刻セル中空廻転子(6)ヲ緩通シタル軸(5)ノ両端ヲ押込ミ、両支持桿(1)(1)ニテ挟持シテ成ル「パチンコ」ノ構造。
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
以上採録したる「奉教人の死」は、がい「れげんだ・おうれあ」下巻第二章に依るものにして、恐らくは当時長崎の一西教寺院に起りし、事実の忠実なる記録ならんか。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
全力を挙げてがい事件の調査に着手致しました私も、今日に到るまで、事件の真相に対して何等の手掛りも掴み得ないまま、五里霧中に彷徨させられているような状態で御座います。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかるに全く意外にもがい老人こそ余人ならず、先生にもご存知の大鳥井紋兵衛、これは怪しと存ぜしまま後を慕って参りしところ、紋兵衛の駕籠は根岸に入り我らが主君には実のご舎弟
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
がい飛行船隊は、アクロン、ロスアンゼルス、パタビウス、サンタバルバラの順序を以て、高度七千メートル、時速百八十キロ、略西方ほぼせいほうに向けて航空中なり。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
我ら十七名の会員は心霊協会会長ペック氏とともに九月十七日午前十時三十分、我らのもっとも信頼するメディアム、ホップ夫人を同伴し、がいステュディオの一室に参集せり。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
余の所謂いわゆる「呉一郎の第一回発作」の参考としては全然不必要の範囲に属するも、この記録を作製したるW氏の主張を尊重する意味に於て、且又かつまたがい事件に関する司法当局の探査方針
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただし、当局はその真相を疑い、目下犯人厳探中の由なれども、諸城しょじょう某甲ぼうこうが首の落ちたる事は、載せて聊斎志異りょうさいしいにもあれば、がい何小二の如きも、その事なしとは云うべからざるか。云々。
首が落ちた話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
同時にがいカフェー・クロコダイルの醜い営業振りが悉く当局の手によって暴露される事になりましたが、詳細な点はまだ、発表を停められておりますから悪しからず御諒察を願います。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
がい監視哨の位置より更に南南西約五キロメートルの空中を、戦闘機は二千五百メートルの高度、他はいずれも二千メートルの高度をとり、各隊毎に雁行形がんこうけいの編隊を以て、東北東に向け飛行中なり。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
然るにそれより二年後の昨年度に於てがい牝馬を普通の乗馬と交尾せしめたるに、奇怪にも、以前の配偶たりし斑馬と同様の斑紋を臀部より大腿部にかけてとどめし仔馬を生みたるを以て
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『いかなる犯罪を行ないたりといえども、がい犯罪を行なわしめたる事情の消失したる後は該犯罪者を処罰することを得ず』つまりあなたの場合で言えば、その河童かっぱはかつては親だったのですが
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
がい自動車の運転手とアパート勝手口附近事務室に残留せる女事務員二名惨死し
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
古着店主辻孝平はがい車夫が
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)