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命毛
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いのちげ
ふりがな文庫
“
命毛
(
いのちげ
)” の例文
けれども要するに、それはみんな身過ぎ世過ぎである。川竹の憂き身をかこつ
哥沢
(
うたざわ
)
の糸より細き筆の
命毛
(
いのちげ
)
を
渡世
(
とせい
)
にする是非なさ……オット大変忘れたり。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
摺流
(
すりなが
)
す音も
憚
(
はゞか
)
り
卷紙
(
まきがみ
)
へ思ふ事さへ
云々
(
しか/″\
)
と
書
(
かき
)
つゞる身生
命毛
(
いのちげ
)
の筆より先へ切てゆく
冥途
(
めいど
)
の旅と死出の空我身は今ぞ亡き者と覺悟をしても親と子がたゞ二人なる此住居然るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
男女
(
なんにょ
)
の間変らじと
一言
(
ひとこと
)
交
(
かわ
)
せば一生変るまじきは
素
(
もと
)
よりなるを、
小賢
(
こさか
)
しき
祈誓三昧
(
きしょうさんまい
)
、誠少き
命毛
(
いのちげ
)
に
情
(
なさけ
)
は薄き墨含ませて、文句を飾り色めかす腹の
中
(
うち
)
慨
(
なげ
)
かわしと昔の人の
云
(
いい
)
たるが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一
穗
(
すゐ
)
の
燈
(
ともしび
)
挑
(
かゝ
)
げて怪しげなる薄色の
折紙
(
をりがみ
)
延べ擴げ、
命毛
(
いのちげ
)
の細々と認むる小筆の運び絶間なく、卷いてはかへす思案の胸に、果は
太息
(
といき
)
と共に封じ納むる文の
數々
(
かず/\
)
、燈の光に宛名を見れば
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
願ふと云ふも
忍
(
しの
)
び
泣
(
なき
)
殊
(
こと
)
に他人に有ながら當家へ
養子
(
やうし
)
に來た日より
厚
(
あつ
)
く
深切
(
しんせつ
)
盡
(
つ
)
くして呉し支配人なる久八へ
鳥渡成
(
ちよつとなり
)
とも
書置
(
かきおき
)
せんと
有
(
あり
)
あふ
硯
(
すゞり
)
引寄
(
ひきよ
)
せて涙ながらに
摺流
(
すりなが
)
す
墨
(
すみ
)
さへ
薄
(
うす
)
き
縁
(
え
)
にしぞと
筆
(
ふで
)
の
命毛
(
いのちげ
)
短
(
みじ
)
かくも
漸々
(
やう/\
)
認
(
したゝ
)
め
終
(
をは
)
りつゝ
封
(
ふう
)
じる
粘
(
のり
)
より
法
(
のり
)
の
道
(
みち
)
心ながら
締直
(
しめなほ
)
す帶の
博多
(
はかた
)
の一本
獨鈷
(
どつこ
)
眞言
(
しんごん
)
成ねど
祕密
(
ひみつ
)
の爲
細腕
(
ほそうで
)
成ども我一心長庵如き何の其
岩
(
いは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
命
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“命”で始まる語句
命
命令
命婦
命乞
命冥加
命中
命名
命数
命懸
命日