さら)” の例文
人の凍死こゞえしするも手足の亀手かゞまる陰毒いんどく血脉けちみやくふさぐの也。にはか湯火たうくわねつを以てあたゝむれば人精じんせい気血きけつをたすけ、陰毒いんどく一旦いつたんとくるといへどもまつたさらず、いんやうかたざるを以て陽気やうきいたれ陰毒いんどくにくしみくさる也。
絶大の景色けいしよくに対する時に詞句全くつくるは、即ち「われ」の全部既に没了しさられ、恍惚としてわが此にあるか、彼にあるかを知らずなり行くなり。彼は我をぬすみ去るなり、否、我は彼に随ひ行くなり。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
老夫莞爾にこりとしてふたゝびさらんとす。