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さら
つれ
逃來りし譯ゆゑ
敢て
憎む程のこともなし夫に
旅馴ぬゆゑ熊谷土手にて
惡漢に
欺され既に妻をも
奪はれんとする所に八五郎の
咄しにより某
駈着て惡漢を
或る人が
中ノ
郷の
枳殻寺の近所を通ると、紙の旗や
蓆旗を立てて、大勢が一団となり、
鬨の声を揚げ、米屋を
毀ち
壊して、勝手に米穀を
奪って行く現場を見た。
何か
確乎としたものにでも執り付いていなければ、何処かへ
奪われて行きそうだ。
「異人さんから貰つたのよ。引つ
奪つて来たのよ。」と女は云つた。