“奪去”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うばいさ50.0%
うばひさ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いとも易々やすやすと、一つの美しき魂を奪去うばいさった「犯人」の手ぎわには、嫉妬に似たおそろしさを覚えるのであった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
鉄道の便宜は近世に生れたわれわれの感情から全く羈旅きりょとよぶ純朴なる悲哀の詩情を奪去うばいさった如く、橋梁はまた遠からず近世の都市より渡船なる古めかしいゆるやかな情趣を取除いてしまうであろう。
吾等われら無上むじやうたのしみとせるなつかしの日本につぽんかへ希望きぼうも、まつた奪去うばひさられたといふものです。
鉄道の便宜は近世に生れた吾々の感情から全く羈旅きりよとよぶ純朴なる悲哀の詩情を奪去うばひさつた如く、橋梁はまた遠からず近世の都市より渡船わたしぶねなる古めかしいゆるやかな情趣を取除いてしまふであらう。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)