“引奪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひったく73.9%
ひつたく13.0%
ひったくっ4.3%
ひッた4.3%
ふんだく4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大方遊んでばかりいやがったのだろう、このつぶ野郎やろうめッてえんでもって、釣竿を引奪ひったくられて、げるところをはすたれたんだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けれども、次第しだい畜生ちくしやう横領わうりやうふるつて、よひうちからちよろりとさらふ、すなどあとからめてく……る/\手網であみ網代あじろうへで、こし周囲まはりから引奪ひつたくる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
余は親切の印ともいう可き此の花をお浦風情に我が物にされて成る者かと殆ど腕力盡で引奪ひったくったが、悲しい哉花よりも猶大切な者をお浦に取られて仕舞った、夫は花の下に伏せてあった一個の鍵である
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「馬鹿をいえ、杖でさえ不可いけねえものが、洋刀サアベルで始末におえるかい。構うこたあない、みんなで押懸けて行ってあの軍鶏を引奪ひッたくッてしまうとするだ。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
提灯ちやうちん一個ひとつ引奪ふんだくつて、三段さんだんばかりあるきざはし正面しやうめん突立つゝたつて、一揆いつきせいするがごとく、大手おほてひろげて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)