“ひったく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引奪53.6%
引手繰32.1%
3.6%
奪取3.6%
強奪3.6%
褫奪3.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寄せて来た裸虫も、がんりきを取って押える目的と、一つにはその青地錦を引奪ひったくろうとする目的と二つがあるように見えました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
締めようとする帯を、引奪ひったくったから此方もカッとして殴り倒して大急ぎで飛出して、直に越前屋へ行きました。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
尾根に出ると風がワアッとからみつく、そして油断した人の体から帽子手拭其他何でも引手繰ひったくるようにさらって行く。
人も無げに笑う手から、引手繰ひったくるように切符を取られて、はっと駅夫の顔を見て、きょとんと生真面目きまじめ
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
佐平はこう言って、雄吾から猟銃をひったくった。二人の若者達は駐在所へ駈け出した。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
七「わたくしは余り嬉しいから二枚一緒に奪取ひったくりましたものか、一枚遣ろうと仰しゃったのはたしかに覚えて居ります、それを懐に入れてせっせと駈けてくと、胸がむか/\いたしますから虎ノ門のわき反吐へどきました」
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
七「おや/\こゝにも一枚……一枚の黄金が二枚になったか知ら、これは驚いた、黄金が子を生みやアしめえ。(ポンと手をち)あ分った、二枚拝領したんだ、しかし一枚やろうと仰しゃって二枚出したのを嬉しまぎれに奪取ひったくって二枚一緒に持って来たに違いない、これは済まん、すぐに往って返して来る」
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こう、情無いことを謂いなさんな。わっちゃこんなものでもね、日本が大の贔屓ひいきさ。何の赤髯あかひげ、糞でもくらえだ。ええその金時計はすぐ強奪ひったくって持って来やす。」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鶴さんは、ちらと此方こっちを見たが、黙ってまたペンを動かしはじめた。お島はいらいらしい目をすえて、じっと見つめていたが、たちまち床から乗出して、その手紙を褫奪ひったくろうとした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)