奪取ひったく)” の例文
わたくしは余り嬉しいから二枚一緒に奪取ひったくりましたものか、一枚遣ろうと仰しゃったのはたしかに覚えて居ります、それを懐に入れてせっせと駈けてくと
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と言って、忠公の小刀を奪取ひったくった。此処までは良かったが、忠公のは生憎水兵小刀である、ちいさいのなら訳はないが、水兵小刀は大きいから困った。口へ入れたなり動きが取れない。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
(ポンと手をち)あ分った、二枚拝領したんだ、しかし一枚やろうと仰しゃって二枚出したのを嬉しまぎれに奪取ひったくって二枚一緒に持って来たに違いない、これは済まん、すぐに往って返して来る
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)