“ひつたく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引奪50.0%
引手繰16.7%
引手奪16.7%
畢卓16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時間はわたしから、もうなにも引奪ひつたくつてゆくものとてはない! 坐禅菊の上の、気随なボヘミヤ歌。噴上げの霧に弄ばれながら、詩人はうたふのである。⦅光が空に消え、よろこびが心に消える⦆と。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
と言つて、引手繰ひつたくるやうに皿を受取つた。そしてそれ以後、ふちの欠けない立派な皿を吟味して、二度ともう欠皿かけざらを出さうとしなかつた。
博士は新聞を引手繰ひつたくるやうにして覗いて見た。新聞には博士が三味線を弾くをんなあとを追つて博多までくだつて往つた始末が詳しく載つてゐた。
ふ、おびまで引手奪ひつたくつて、あはせ一所いつしよに、ぐる/\と引丸ひんまろげる。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むかし、畢卓ひつたくはどうかして上酒数百こくをわが物として舟に積込み、左手に杯を、右手に蟹の大爪を持つて、飲みかつ食ひながら生涯を送ることができたなら、こんな幸福はあるまいといつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)