褫奪ひったく)” の例文
鶴さんは、ちらと此方こっちを見たが、黙ってまたペンを動かしはじめた。お島はいらいらしい目をすえて、じっと見つめていたが、たちまち床から乗出して、その手紙を褫奪ひったくろうとした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)