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さら
ふりがな文庫
“
暴
(
さら
)” の例文
おれのからだが、
天日
(
てんぴ
)
に
暴
(
さら
)
されて、見る/\腐るとこだつた。だが、をかしいぞ。あれは昔だ。あのこじあける音がしたのも、昔だ。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
『少將は心弱き者、一朝事あらん時、妻子の愛に
惹
(
ひ
)
かされて未練の最後に一門の恥を
暴
(
さら
)
さんも
測
(
はか
)
られず、時頼、たのむは其方一人』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
吾人たとひ現時に於て骨を溝中に
暴
(
さら
)
すとも百世の後、我日本の精神界、道徳界に
大造
(
たいざう
)
あるの名を遺さば亦以て
怨
(
うら
)
みなかるべし。
信仰個条なかるべからず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
世俗の空気に
暴
(
さら
)
されて、それ相応に萌芽を出し生長を
遂
(
と
)
ぐるものなれば、その出来不出来は、その培養たる教育の良否によって定まることなり。
家庭習慣の教えを論ず
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
だが、これはまあ、何ということだ。その植物は、どの茎もどの茎も、皆半分位の所から折り取られて、見るも
無慙
(
むざん
)
なむくろを
暴
(
さら
)
していたではないか。
毒草
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
のちに
孕
(
はら
)
んで産むところの子、両牙長く
生
(
お
)
い尾角ともに備わり、
儼
(
げん
)
として牛鬼のごとくであったので父母怒ってこれを殺し、銕の
串
(
くし
)
に刺して路傍に
暴
(
さら
)
した。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
本身を隠し得ず、また一日のうち三度皮肉地に落ち熱沙身を
暴
(
さら
)
すと答う、何が一番竜の望みかと問うと、畜生道中正法を知らぬ故人間道に生まれたいと答う
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
渡海以来の某は日夜戦陣に屍を
暴
(
さら
)
すをもって本意として来た。生きて日本へ帰る事など
曾
(
かつ
)
て思った事もない。老骨一つ、よし此処に討死しても日本の恥にもなるまい
碧蹄館の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ふと気がつけば、草庵の外に横たはり、露を受け、早朝の天日に
暴
(
さら
)
されてゐる自分の姿を見出した。
閑山
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「ここに我々にとっての小さな仕事があるんだがね。もしこれがうまくゆけば、一人の全く疑惑の中にある生活を、明るみに
暴
(
さら
)
け出してみせることが出来ると云うものだよ」
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
彼は世を恨むる
余
(
あまり
)
その執念の
駆
(
か
)
るままに、人の生ける肉を
啖
(
くら
)
ひ、以つて
聊
(
いささ
)
か逆境に
暴
(
さら
)
されたりし
枯膓
(
こちよう
)
を
癒
(
いや
)
さんが為に、三悪道に捨身の大願を
発起
(
ほつき
)
せる心中には、百の
呵責
(
かしやく
)
も
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
野育ちだから、生来具有の百の欠点を臆面もなく
暴
(
さら
)
け出して、
所謂
(
いわゆる
)
教育ある人達を
顰蹙
(
ひんしゅく
)
せしめたけれど、其代り子供の時分は、今の様に
矯飾
(
きょうしょく
)
はしなかった。
皆
(
みんな
)
無教育な親達のお蔭だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
命を不斷の戰に
暴
(
さら
)
して爲めに心中に
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
山
颪
(
おろし
)
に吹き
暴
(
さら
)
されて、荒草深い山裾の斜面に、
万蔵法院
(
まんざうはふゐん
)
のみ
燈
(
あかし
)
の煽られて居たのに目馴れた人たちは、この幸福な転変に目を睜つて居るだらう。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ふと気がつけば、草庵の外に横たわり、露を受け、早朝の天日に
暴
(
さら
)
されている自分の姿を見出した。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
飄日のために
暴
(
さら
)
されず、蚊虻のために触嬈せらるるところとならずや〉、風雨やんでかの竜一年少
梵志
(
ぼんし
)
に化し、仏を拝し法に帰した、これ畜生が仏法に入った
首
(
はじめ
)
だと見ゆ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
秋の野風に
暴
(
さら
)
して、恨みさびたる其樣は、如何なる大道心者にても、
心
(
こゝろ
)
動
(
うご
)
かんばかりなるに、峰の嵐に
埋
(
うづも
)
れて嘆きの聲の聞えぬにや、鈴の音は調子少しも亂れず、行ひすましたる瀧口が心
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
積悪の応報
覿面
(
てきめん
)
の末を
憂
(
うれ
)
ひて
措
(
お
)
かざる直道が心の
眼
(
まなこ
)
は、無残にも
怨
(
うらみ
)
の
刃
(
やいば
)
に
劈
(
つんざか
)
れて、路上に
横死
(
おうし
)
の恥を
暴
(
さら
)
せる父が死顔の、犬に
蹋
(
け
)
られ、泥に
塗
(
まみ
)
れて、
古蓆
(
ふるむしろ
)
の陰に
枕
(
まくら
)
せるを、怪くも
歴々
(
まざまざ
)
と見て
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
おれのからだが、
天日
(
てんぴ
)
に
暴
(
さら
)
されて、見る見る、腐るところだった。だが、おかしいぞ。こうつと——あれは昔だ。あのこじあける音がするのも、昔だ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
あんな
勿体
(
もったい
)
ぶった顔付を臆面もなく人前へ
暴
(
さら
)
すのは不名誉至極な話である。
勉強記
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
全く以て恥
暴
(
さら
)
しだ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
さうして其が乾くと、谷の澱みに持ち
下
(
お
)
りて浸す。浸しては
暴
(
さら
)
し、晒しては水に潰でた幾日の後、筵の上で槌の音高くこも/″\、
交々
(
こも/″\
)
と叩き柔らげた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
山颪に吹き
暴
(
さら
)
されて、荒草深い山裾の斜面に、万法蔵院の細々とした御灯の、
煽
(
あお
)
られて居たのに目馴れた人たちは、この幸福な転変に、目を
睜
(
みは
)
って居るだろう。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
ずうと這い寄って来た
身狭乳母
(
むさのちおも
)
は、郎女の前に居たけを
聳
(
そびや
)
かして、
掩
(
おお
)
いになった。外光の直射を防ぐ為と、一つは、男たちの前、殊には、庶民の目に、
貴人
(
あてびと
)
の姿を
暴
(
さら
)
すまい、とするのであろう。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
“暴”の意味
《名詞》
(ボウ) 荒々しいこと。乱暴であること。また、そのさま。
(ボウ) 道理にはずれていること。不法であること。また、そのさま。
《形容動詞》
(あかしま、あからしま) にわかなさま。急なさま。あからさま。
(出典:Wiktionary)
暴
常用漢字
小5
部首:⽇
15画
“暴”を含む語句
暴露
暴風
暴風雨
自暴自棄
粗暴
暴雨
兇暴
大暴風
暴虐
大暴風雨
狂暴
乱暴狼藉
暴騰
暴動
暴出
自暴
乱暴
暴戻
亂暴
暴々
...