さら)” の例文
(ちゞみはくぢらざし三丈を定尺とす)うみはじむるよりおりおろしさらしあげてたんになすまでの苦心労繁くしんらうはんおもひはかるべし。
さらした古法帖こほうじょうの上に大きな馬蠅うまばえが飛んで来たので、老人は立って追いながら、「あやまちを改むるにはばかることなかれ。若い時の事はどうもいたし方がない。人間の善悪はむしろ晩節にあるのだよ。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それでいて二人共に、高座こうざに顔をさらすことをはばからなかったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
天然てんねん阴阳いんやう気運きうんしよくする所ならんか。くだんごとく雪中に糸となし、雪中にり、雪水にそゝぎ、雪上にさらす。雪ありてちゞみあり、されば越後縮は雪と人と気力きりよく相半あひなかばして名産めいさんの名あり。
○ ちゞみさら