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得
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え
ふりがな文庫
“
得
(
え
)” の例文
居室
(
へや
)
に
歸
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると、ちやんと
整頓
(
かたづい
)
て
居
(
ゐ
)
る。
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
は
書物
(
しよもつ
)
やら
反古
(
ほご
)
やら
亂雜
(
らんざつ
)
極
(
きは
)
まつて
居
(
ゐ
)
たのが、
物
(
もの
)
各々
(
おの/\
)
所
(
ところ
)
を
得
(
え
)
て
靜
(
しづ
)
かに
僕
(
ぼく
)
を
待
(
まつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
込み上げて来る悲しさを、
袂
(
たもと
)
の端で、じっと押えて、おろおろと、その場を立去りも
得
(
え
)
せず、死ぬる思いを続けたことでございます。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
かれはブランカの死体をさがしにきたが、それを
得
(
え
)
られなかったうらみに、戸外五十メートルのところで、番犬をさき殺して去った。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
二
億圓
(
おくゑん
)
の
正貨
(
せいくわ
)
を
買
(
か
)
ひ
得
(
え
)
たことは、
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
の
日本
(
にほん
)
に
取
(
と
)
つては
出來過
(
できす
)
ぎであると
云
(
い
)
ふ
批評
(
ひひやう
)
があるが、それは
正
(
まさ
)
しく
左樣
(
さやう
)
であらうと
思
(
おも
)
ふ。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
グルーシェンカの悪党には、一つ
得
(
え
)
も言えない肉体の曲線美があるんだ。そいつが足にも、左足の小指の先にまで現われているのだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
天晴
(
あつぱ
)
れ
一芸
(
いちげい
)
のある
効
(
かひ
)
に、
其
(
そ
)
の
術
(
わざ
)
を
以
(
もつ
)
て
妻
(
つま
)
を
償
(
あがな
)
へ!
魔神
(
まじん
)
を
慰
(
なぐさ
)
め
楽
(
たの
)
しますものゝ、
美女
(
びじよ
)
に
代
(
か
)
へて
然
(
しか
)
るべきなら
立処
(
たちどころ
)
に
返
(
かへ
)
し
得
(
え
)
さする。——
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
君が
御名
(
みな
)
得
(
え
)
し
祐
(
さち
)
の井の、
井
(
ゐど
)
のほとりの
常磐木
(
ときはぎ
)
や、
落葉木
(
らくえふぼく
)
の
若葉
(
わかば
)
して、
青葉
(
あをば
)
となりて、
落葉
(
おちば
)
して、
年
(
とし
)
また年と
空宮
(
くうきう
)
に年は
遷
(
うつ
)
りぬ
四十五
(
しじふいつ
)
。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
まるで、異った事の様であるが、人をいましめる時に叱るのと、恥かしめるとの差を明かに
得
(
え
)
とくして居る人が少ないのに驚いた。
雨滴
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
子供
(
こども
)
には、
話
(
はな
)
した
跡
(
あと
)
でいろ/\の
事
(
こと
)
を
問
(
と
)
はれて、
私
(
わたくし
)
は
又
(
また
)
已
(
や
)
むことを
得
(
え
)
ずに、いろ/\な
事
(
こと
)
を
答
(
こた
)
へたが、それを
悉
(
こと/″\
)
く
書
(
か
)
くことは
出來
(
でき
)
ない。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「露国の名誉ある貴族たる閣下に、御遺失なされ候物品を返上致す機会を
得
(
え
)
候
(
そうろう
)
は、拙者の最も光栄とする所に
有之
(
これあり
)
候
(
そうろう
)
。
猶
(
なお
)
将来共
(
しょうらいとも
)
。」
襟
(新字新仮名)
/
オシップ・ディモフ
(著)
楼上には我を待つ畸人あり、楼下には
晩餐
(
ばんさん
)
の用意にいそがしき老母あり、弦月は我幻境を照らして
朦朧
(
もうろう
)
たる好風景、
得
(
え
)
も言はれず。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
這
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
で一
向
(
かう
)
に
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
ず、
山頂
(
さんてう
)
の
方
(
はう
)
では、
僅
(
わづ
)
かに
埴輪
(
はにわ
)
の
破片
(
はへん
)
(
雲珠
(
うず
)
、
鞆等
(
ともなど
)
)を
見出
(
みいだ
)
したのみ、それで
大發掘
(
だいはつくつ
)
の
第
(
だい
)
一
回
(
くわい
)
を
終
(
をは
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
君
(
きみ
)
たちのいうことは、よくわかった。一
方
(
ぽう
)
は、
理科
(
りか
)
の
知識
(
ちしき
)
を
得
(
え
)
るためだというのだし、一
方
(
ぽう
)
はかわいそうだから
助
(
たす
)
けるというのだ。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
転輪
(
てんりん
)
王此玉を
得
(
え
)
て
試
(
こゝろみ
)
に高き
幢
(
はた
)
の
頭
(
かしら
)
に
挙著
(
あげおき
)
けるに、
人民等
(
じんみんら
)
玉の光りともしらず夜の
明
(
あけ
)
たりとおもひ、おの/\
家業
(
かせぎ
)
をはじめけりと
記
(
しる
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
現世
(
げんせ
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
なら
愛
(
あい
)
と
欲
(
よく
)
との
二筋
(
ふたすじ
)
で
結
(
むす
)
ばれるのも
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ぬが、一たん
肉体
(
にくたい
)
を
離
(
はな
)
れた
上
(
うえ
)
は、すっかり
欲
(
よく
)
からは
離
(
はな
)
れて
了
(
しま
)
わねばならぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ヴァイオリニストとしてあまりに有名で作曲は忘られがちだが、ウィーン風のヴァイオリン小曲に
得
(
え
)
も言われない
可憐
(
かれん
)
なのがある。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
闔廬
(
かふろ
)
曰
(
いは
)
く、『
試
(
こころ
)
みに
婦人
(
ふじん
)
を
以
(
もつ
)
てす
可
(
べ
)
きか』と。
曰
(
いは
)
く、『
可
(
か
)
なり』と。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
之
(
これ
)
を
許
(
ゆる
)
す。
宮中
(
きうちう
)
の
美女
(
びぢよ
)
を
出
(
いだ
)
し、百八十
人
(
にん
)
を
得
(
え
)
たり。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
もっとあとだって、
昨夜
(
ゆうべ
)
は大財産をなすったなんて、財産と散財と、とんちんかんなのを、どうしても
得
(
え
)
とく出来なかったものさえある。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
喜
(
よろこ
)
びも
心配
(
しんぱい
)
も、たゞそのためにのみして
書
(
か
)
き
入
(
い
)
れた
努力
(
どりよく
)
の
頁
(
ページ
)
をあらためて
繰
(
く
)
つてみて
密
(
ひそ
)
かに
矜
(
ほこ
)
りなきを
得
(
え
)
ないのであつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
わたしはかれがつえの先で追い立てた場所から、そのまま動き
得
(
え
)
なかった。
食卓
(
しょくたく
)
に
背中
(
なか
)
を向けたまま、わたしはかれの顔を見た。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
B あゝ、あれは
駄目
(
だめ
)
だよ。
葉書
(
はがき
)
一
枚
(
まい
)
ぐらゐの
短文
(
たんぶん
)
で、ちよつと
氣
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
き
得
(
え
)
る
樣
(
やう
)
な
名士
(
めいし
)
は
幾
(
いく
)
らも
居
(
ゐ
)
ないからな。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
先ほどから
舳
(
へさき
)
へ出て、やや呑み過ごした
酔心地
(
えいごこち
)
を
得
(
え
)
もいわれぬ川風に吹払わせていた二人の門人
種員
(
たねかず
)
と
仙果
(
せんか
)
は覚えず
羨望
(
せんぼう
)
の
眼
(
まなこ
)
を見張って
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
たとい金丸長者の死に損いが、如何に躍起となったにしたところが、とても大阪三輪鶴の千両箱を三十も
一所
(
いっしょ
)
に積みは
得
(
え
)
せまい。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
淋
(
さび
)
しきまゝに
琴
(
こと
)
取出
(
とりいだ
)
し
獨
(
ひと
)
り
好
(
この
)
みの
曲
(
きよく
)
を
奏
(
かな
)
でるに、
我
(
わ
)
れと
我
(
わ
)
が
調
(
てう
)
哀
(
あは
)
れに
成
(
な
)
りて、いかにするとも
彈
(
ひ
)
くに
得
(
え
)
堪
(
た
)
えず、
涙
(
なみだ
)
ふりこぼして
押
(
おし
)
やりぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
併し氣が凝つたり、氣が散つたりして、そして碌に何事も
得
(
え
)
出來
(
でか
)
さずに五十年を終つて仕舞ふのが、所謂凡人である、恨む可き事である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「——解りませんわ。」とおくみは、自分の感じる心持をどうにも纏めて
得
(
え
)
う言はないので、困つたやうに極り悪くかう言つた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
現実界に触れて実感を
得
(
え
)
ると、他愛もなく
剥
(
は
)
げて了う、
剥
(
は
)
げて
木地
(
きじ
)
が
露
(
あら
)
われる。古手の思想は木地を飾っても、木地を蝕する力に乏しい。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
嫁入
(
よめいり
)
の
支度
(
したく
)
で
忙殺
(
ばうさつ
)
されるのみならず、
屹度
(
きつと
)
貧殺
(
ひんさつ
)
されるだらうとか
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
になると、
子供
(
こども
)
のない
宗助
(
そうすけ
)
の
耳
(
みゝ
)
には
夫程
(
それほど
)
の
同情
(
どうじやう
)
も
起
(
おこ
)
し
得
(
え
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その城の影がさかさまに水に映って居るので夕暮の景色は実に
得
(
え
)
も言われぬ面白い風情である。その城の下のある家について泊りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「そのかわり、この大役を
首尾
(
しゅび
)
よくすましたら、
伊那丸
(
いなまる
)
さまにおねがいして、そちも
武士
(
ぶし
)
のひとりに取り立てて
得
(
え
)
さすであろう」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとよりその職業につく目的をもって進みきたり、かつ現在の職業に
甘
(
あま
)
んずる人は百人に一人あるや否や我らは大いに疑わざるを
得
(
え
)
ない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「そりや、はあ、さうだが」
只
(
たゞ
)
此
(
これ
)
だけいつて
寡言
(
むくち
)
な
卯平
(
うへい
)
は
自分
(
じぶん
)
の
意
(
い
)
を
得
(
え
)
たといふ
樣
(
やう
)
に
始終
(
しじう
)
窪
(
くぼ
)
んだ
目
(
め
)
を
蹙
(
しが
)
めて
手
(
て
)
からは
煙管
(
きせる
)
を
放
(
はな
)
さなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
上當年五十三歳に相成候と云たる
體
(
てい
)
顏色
(
がんしよく
)
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
痩衰
(
やせおとろ
)
へ
肉
(
にく
)
落
(
おち
)
骨
(
ほね
)
顯
(
あら
)
はれ
聲
(
こゑ
)
皺枯
(
しわがれ
)
て高く
上
(
あげ
)
得
(
え
)
ず何樣數日
手強
(
てづよ
)
き拷問に掛りし樣子なり大岡殿
此體
(
このてい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今から考えると、いかにもそれらはばかげているように見えますけれども、しかし古い時代にはそれも
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
なかったのでありましょう。
ロバート・ボイル
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
お目にかけましたら、その自然からお
得
(
え
)
になるところがあって、絵がずいぶん御上達なさいますでしょうと思います。富士、それから何々山
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
それがまた、
得
(
え
)
も云われぬ嘲笑的な図形であって、まさにお筆にとれば刻印に等しく、永世滅し切れぬと思われるほど嘲笑的なものだった。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
四宮理学士の絞殺も同一手段で行われたのであったが、学士が女史の
犯跡
(
はんせき
)
を握っていたので、
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず殺害したものらしい。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
黄金丸が
睨
(
ね
)
め
付
(
つけ
)
し、
眼
(
まなこ
)
の光に恐れけん、その矢も
得
(
え
)
放
(
はな
)
たで、
慌
(
あわただ
)
しく枝に走り昇り、
梢
(
こずえ
)
伝ひに
木隠
(
こがく
)
れて、忽ち姿は見えずなりぬ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
この
爲
(
ため
)
に
兩少年
(
りようしようねん
)
は
各自
(
かくじ
)
の
家屋
(
かおく
)
のみならず、
重幸少年
(
しげゆきしようねん
)
の
如
(
ごと
)
きは
隣接
(
りんせつ
)
した
小學校
(
しようがつこう
)
と
二十戸
(
にじゆつこ
)
の
民家
(
みんか
)
とを
危急
(
ききゆう
)
から
救
(
すく
)
ひ
得
(
え
)
たのであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
もしまた梅の花が見えて居るのに「かをる」といひたりとすればそは昔より歌人の陥り居りし穴をいまだ
得
(
え
)
出
(
いで
)
ずに居る者なり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
余は初めより目科の
背後
(
うしろ
)
に立てる故、気を落着けて充分に倉子の顔色を眺むるを
得
(
え
)
、少しの様子をも見落さじと
勉
(
つと
)
めたるに
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
老人
(
としより
)
といふものは、こんな場合にも、栗鼠が
狂者
(
きちがひ
)
だつたとか、臍がうつかりしてゐたとか、
得
(
え
)
て言訳をしたがるものなのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
古
(
いにしへ
)
の
國民
(
こくみん
)
は
地震
(
ぢしん
)
に
遭
(
あ
)
つても、
科學的素養
(
くわがくてきそやう
)
が
缺
(
か
)
けてゐるから、たゞ
不可抗力
(
ふかかうりよく
)
の
現象
(
げんしやう
)
としてあきらめるだけで、これに
對抗
(
たいかう
)
する
方法
(
はうはふ
)
を
案出
(
あんしゆつ
)
し
得
(
え
)
ない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
そこにフランシスがこれも裸形のままで
這入
(
はい
)
って来てレオに代って講壇に登った。クララはなお顔を
得
(
え
)
上げなかった。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
次の奴は「西竹林のけい三ぞくは、ある甲斐もなきかたわに生まれ、人の情けを
得
(
え
)
蒙
(
こうむ
)
らで、竹の林に独りぬる/\」
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
實
(
じつ
)
は
私
(
わたくし
)
は
貴方
(
あなた
)
との
談話
(
だんわ
)
に
於
(
おい
)
て、
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
い
滿足
(
まんぞく
)
を
得
(
え
)
ましたのです。で、
私
(
わたくし
)
は
貴方
(
あなた
)
のお
話
(
はなし
)
を
不殘
(
のこらず
)
伺
(
うかゞ
)
ひましたから、
此度
(
こんど
)
は
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたくし
)
の
話
(
はなし
)
をもお
聞
(
き
)
き
下
(
くだ
)
さい。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
實
(
じつ
)
に
感謝
(
かんしや
)
に
堪
(
た
)
えません。』と
私
(
わたくし
)
は
不測
(
そゞろ
)
に
憘涙
(
うれしなみだ
)
の
流
(
なが
)
るゝを
禁
(
きん
)
じ
得
(
え
)
なかつた。
無邪氣
(
むじやき
)
なる
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
眼
(
め
)
をまんまるにして、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
肩上
(
かた
)
で
躍
(
をど
)
ると。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「私のは少しむずかしいかもしれませんよ。
曰
(
いわ
)
く、王者にして、その声天地にあまねく、その
姿
(
すがた
)
得
(
え
)
て
捕捉
(
ほそく
)
すべからず」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
再
(
ふたた
)
び起こる
喝采
(
かっさい
)
の声! かくて
M大尉
(
エムたいい
)
は第一等の
栄冠
(
えいかん
)
を
得
(
え
)
て、予定通りわが日本のために
万丈
(
ばんじょう
)
の
気炎
(
きえん
)
をはきました。
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
遠い昔に度々聞きそうして中頃忘れ去られた笛の音色が卒然と再び耳の底へ響いて来たような、
得
(
え
)
も云われない懐かしの情! 思慕の情が湧いて来た。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“得”を含む語句
心得違
生得
彼得
会得
見得
心得
會得
性得
所得
得意
不得
聞得大君
得々
自業自得
拾得
利得
獲得
解得
贏得
納得
...