“偏揺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたゆれ66.7%
かたゆ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「波乗りのぐあいといい、偏揺かたゆれのぐあいといい、大方、それと察していたが、するとこの船も舵を折ってしまったのか。情けない、情けない」
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しおの流れでもあるのか、水の中に沈んだ船体の偏揺かたゆれにつれて、帆柱が大きく傾く。そのたびに何人かが海にこぼれ落ち、二、三度、藻掻もがいただけで、あっけなく波にまれてしまう。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
白川は換気孔の口を向けかえようと、そちらへ手を伸しかけたひょうしに、機体が偏揺かたゆれしたので、座席にどすんと尻餅をついた。
雲の小径 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
なるほど、偏揺かたゆれは、そのせいだったのか。危険なことはあるまいが、そうならそうで、なんとか挨拶があるべきはずだと思っていると、操縦室からツルリとしたやさ男が出てきた。
雲の小径 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)