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片側
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かたがは
ふりがな文庫
“
片側
(
かたがは
)” の例文
三四郎は一歩
退
(
しりぞ
)
いて、今通つて来た
路
(
みち
)
の
片側
(
かたがは
)
を振り返つて見た。同じ様に外国の景色を
描
(
か
)
いたものが幾点となく
掛
(
かゝ
)
つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
し
間
(
ま
)
もなくこの
陰鬱
(
いんうつ
)
な
往来
(
わうらい
)
は
迂曲
(
うね
)
りながらに
少
(
すこ
)
しく
爪先上
(
つまさきあが
)
りになつて
行
(
ゆ
)
くかと思ふと、
片側
(
かたがは
)
に赤く
塗
(
ぬ
)
つた
妙見寺
(
めうけんじ
)
の
塀
(
へい
)
と
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
讀者よ、
奇
(
くす
)
しき戲れを聞け、彼等みな目を
片側
(
かたがは
)
にむけたり、しかも第一にかくなせるは彼等の中
殊
(
こと
)
にその心なかりしものなりき 一一八—一二〇
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
銀行
(
ぎんかう
)
を
横
(
よこ
)
にして、
片側
(
かたがは
)
は
燒
(
や
)
け
原
(
はら
)
の
正面
(
しやうめん
)
に、
野中
(
のなか
)
の
一軒家
(
いつけんや
)
の
如
(
ごと
)
く、
長方形
(
ちやうはうけい
)
に
立
(
た
)
つた
假普請
(
かりぶしん
)
の
洋館
(
やうくわん
)
が
一棟
(
ひとむね
)
、
軒
(
のき
)
へぶつつけがきの(
川
(
かは
)
)の
字
(
じ
)
が
大
(
おほ
)
きく
見
(
み
)
えた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私の
手
(
て
)
はいつの
間
(
ま
)
にか
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
に
潛
(
くゞ
)
つてゐました。私は
東明館前
(
とうめいくわんまへ
)
から
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れて、
譯
(
わけ
)
もなく
明
(
あか
)
るく
賑
(
にぎや
)
かな
街
(
まち
)
の
片側
(
かたがは
)
を、
店々
(
みせ/\
)
に
添
(
そ
)
うて
神保町
(
じんぼうちやう
)
の
方
(
はう
)
へと歩いて行きました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
こないだの
關東
(
かんとう
)
の
大震災
(
だいしんさい
)
のときには、
淺草
(
あさくさ
)
の
觀音
(
かんのん
)
のお
堂
(
どう
)
の
裏
(
うら
)
のいてふの
木
(
き
)
は
片側
(
かたがは
)
半分
(
はんぶん
)
は
火
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けても、
他
(
た
)
の
半分
(
はんぶん
)
の
枝葉
(
えだは
)
のために
火
(
ひ
)
がお
堂
(
どう
)
に
燃
(
も
)
えうつるのを
防
(
ふせ
)
ぎました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
おとなは今のやうに
丸帶
(
まるおび
)
ははやらない、
丸帶
(
まるおび
)
はよつぽど大よそゆき——つまり儀式ばつた時にばかり用ふるので、
片側帶
(
かたかはおび
)
があたりまへだつたから、
腹合
(
はらあは
)
せの
片側
(
かたがは
)
の上等品は、
唐繻子
(
たうじゆす
)
だつた。
日本橋あたり
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
電柱の
片側
(
かたがは
)
くらき月夜
照
(
で
)
り石ころに
茅
(
かや
)
に露ぞ滿ちたる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
片側
(
かたがは
)
なるはみな顏を
城
(
カステルロ
)
にむけてサント・ピエートロにゆき、片側なるは山にむかひて行くごとくなりき 三一—三三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
麹町
(
かうぢまち
)
、
番町
(
ばんちやう
)
の
火事
(
くわじ
)
は、
私
(
わたし
)
たち
鄰家
(
りんか
)
二三軒
(
にさんげん
)
が、
皆
(
みな
)
跣足
(
はだし
)
で
逃出
(
にげだ
)
して、
此
(
こ
)
の
片側
(
かたがは
)
の
平家
(
ひらや
)
の
屋根
(
やね
)
から
瓦
(
かはら
)
が
土煙
(
つちけむり
)
を
揚
(
あ
)
げて
崩
(
くづ
)
るゝ
向側
(
むかうがは
)
を
駈拔
(
かけぬ
)
けて、いくらか
危險
(
きけん
)
の
少
(
すく
)
なさうな、
四角
(
よつかど
)
を
曲
(
まが
)
つた
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
梯子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
ると、
廊下
(
らうか
)
の
片側
(
かたがは
)
に
顔
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ふ
流
(
なが
)
し
場
(
ば
)
と
便所
(
べんじよ
)
の
杉戸
(
すぎど
)
があり、
片側
(
かたがは
)
には三
畳
(
でふ
)
と六
畳
(
でふ
)
の
座敷
(
ざしき
)
が
三間
(
みま
)
ほど、いづれも
客
(
きやく
)
があるらしく
閉
(
し
)
め
切
(
き
)
つた
襖
(
ふすま
)
の
外
(
そと
)
にスリツパが
㧞
(
ぬ
)
ぎ
捨
(
す
)
てゝある。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
元
(
もと
)
は
枯枝
(
かれえだ
)
の
交
(
まじ
)
つた
杉垣
(
すぎがき
)
があつて、
隣
(
となり
)
の
庭
(
には
)
の
仕切
(
しき
)
りになつてゐたが、
此間
(
このあひだ
)
家主
(
やぬし
)
が
手
(
て
)
を
入
(
い
)
れた
時
(
とき
)
、
穴
(
あな
)
だらけの
杉葉
(
すぎは
)
を
奇麗
(
きれい
)
に
取
(
と
)
り
拂
(
はら
)
つて、
今
(
いま
)
では
節
(
ふし
)
の
多
(
おほ
)
い
板塀
(
いたべい
)
が
片側
(
かたがは
)
を
勝手口
(
かつてぐち
)
迄
(
まで
)
塞
(
ふさ
)
いで
仕舞
(
しま
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
電柱の
片側
(
かたがは
)
くらき月夜
照
(
で
)
り石ころに
茅
(
かや
)
に露ぞ満ちたる
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そは
片側
(
かたがは
)
には、全世界にはびこる罪を一
滴
(
しづく
)
また一滴、目より注ぎいだす民、あまりに
縁
(
ふち
)
近くゐたればなり 七—九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
片側
(
かたがは
)
のまばら
垣
(
がき
)
、
一重
(
ひとへ
)
に、ごしや/\と
立亂
(
たちみだ
)
れ、
或
(
あるひ
)
は
缺
(
か
)
け、
或
(
あるひ
)
は
傾
(
かたむ
)
き、
或
(
あるひ
)
は
崩
(
くづ
)
れた
石塔
(
せきたふ
)
の、
横鬢
(
よこびん
)
と
思
(
おも
)
ふ
處
(
ところ
)
へ、
胡粉
(
ごふん
)
で
白
(
しろ
)
く、さま/″\な
符號
(
ふがう
)
がつけてある。
卵塔場
(
らんたふば
)
の
移轉
(
いてん
)
の
準備
(
じゆんび
)
らしい。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
歩いて
行
(
ゆ
)
く
中
(
うち
)
いつか浅草公園の
裏手
(
うらて
)
へ出た。細い
通
(
とほ
)
りの
片側
(
かたがは
)
には深い
溝
(
どぶ
)
があつて、それを越した
鉄柵
(
てつさく
)
の
向
(
むか
)
うには、
処々
(
ところ/″\
)
の
冬枯
(
ふゆが
)
れして立つ
大木
(
たいぼく
)
の
下
(
した
)
に、
五区
(
ごく
)
の
揚弓店
(
やうきゆうてん
)
の
汚
(
きたな
)
らしい
裏手
(
うらて
)
がつゞいて見える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
我等古き橋より見しに
片側
(
かたがは
)
を歩みて我等のかたに來れる群ありてまたおなじく鞭に逐はれき 七九—八一
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
成程
(
なるほど
)
、
空
(
す
)
きに
空
(
す
)
いた
上
(
うへ
)
にも、
寝起
(
ねおき
)
にこんな
自由
(
じいう
)
なのは
珍
(
めづ
)
らしいと
思
(
おも
)
つた。
席
(
せき
)
を
片側
(
かたがは
)
へ十五ぐらゐ
一杯
(
いつぱい
)
に
劃
(
しき
)
つた、たゞ
両側
(
りやうがは
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
居
(
ゐ
)
ながらだと
楽々
(
らく/\
)
と
肘
(
ひぢ
)
が
掛
(
か
)
けられる。
脇息
(
けふそく
)
と
言
(
い
)
ふ
態
(
さま
)
がある。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
側
常用漢字
小4
部首:⼈
11画
“片側”で始まる語句
片側町
片側帯
片側帶
片側街
片側道