“杉垣”の読み方と例文
読み方割合
すぎがき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
片側は真暗に戸を閉めた人家、片側はまばらな杉垣すぎがきで囲った墓地の所へ出た。たった一つ五燭ごしょくの街燈が、倒れた石碑などを照していた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかしあえて買わなかった。杉垣すぎがきに羽織の肩が触れるほどに、赤い提灯をよけて通した。しばらくして、暗い所をはすに抜けると、追分の通りへ出た。かど蕎麦屋そばやがある。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
八は向側の、五爪竜やぶからしからんでゐる杉垣すぎがきの処に雨にれながら立つて、ぼんやり此様子を見てゐたが、別当が門を締めに出て来るとき、殆ど無意識にぬかるみ道を歩き出した。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)