“すぎがき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
杉垣71.4%
杉籬28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八は向側の、五爪竜やぶからしからんでゐる杉垣すぎがきの処に雨にれながら立つて、ぼんやり此様子を見てゐたが、別当が門を締めに出て来るとき、殆ど無意識にぬかるみ道を歩き出した。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この秋海棠しうかいだう杉垣すぎがきのまだかれないまへから、何年なんねんとなく地下ちかはびこつてゐたもので、古家ふるやこぼたれたいまでも、時節じせつるとむかしとほくものとわかつたとき御米およね
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私はお叩頭じぎひとつして默つて退いた。C雜誌の若い記者が、この角を曲るとめそ/\泣けて來ると言つたその杉籬すぎがきに添つた曲り角まで來ると、私も思はず不覺の涙をこぼした。
足相撲 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼の従弟いとこは少しも蛇を恐れず、杉籬すぎがきからんで居るやつを尾をとって引きずり出し、まわす様に大地に打つけて、楽々らくらくと殺すのが、彼には人間以上の勇気神わざの様にすさまじく思われた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)