杉籬すぎがき)” の例文
私はお叩頭じぎひとつして默つて退いた。C雜誌の若い記者が、この角を曲るとめそ/\泣けて來ると言つたその杉籬すぎがきに添つた曲り角まで來ると、私も思はず不覺の涙をこぼした。
足相撲 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼の従弟いとこは少しも蛇を恐れず、杉籬すぎがきからんで居るやつを尾をとって引きずり出し、まわす様に大地に打つけて、楽々らくらくと殺すのが、彼には人間以上の勇気神わざの様にすさまじく思われた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)