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片傍
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かたわき
ふりがな文庫
“
片傍
(
かたわき
)” の例文
彼は
咄嗟
(
とっさ
)
の場合ハッと
片傍
(
かたわき
)
へ飛びのいたからよかったものの、
若
(
も
)
しそうでなかったら、その物体に打たれて
大怪我
(
おおけが
)
をしている所でした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
片傍
(
かたわき
)
に、家来衆、めしつかわれるものの住むらしい小造りな別棟、格子づくりの
家
(
うち
)
があって、出窓に、小瓶に、山吹の花の挿したのが
覗
(
のぞ
)
かれる。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
片傍
(
かたわき
)
へ草履草鞋を吊して商い、村上松五郎は
八木
(
やぎ
)
八名田
(
やなだ
)
辺へ参っては天下御禁制の
賭博
(
てなぐさみ
)
を致してぶら/\暮して居ります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
慌てて白髪小僧を
片傍
(
かたわき
)
へ引っぱって避けさせようとしましたが、
彼
(
か
)
の時早くこの時遅く、大風のように近附いた「瞬」の馬車は白髪小僧の背中を
掠
(
かす
)
めて
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
壺と、賽と、三人の
異
(
い
)
な叫び声を聞いた自分は、次に三人の顔を見たんである。よくはわからない顔であった。一人の男は
頬骨
(
ほおぼね
)
の一点と、小鼻の
片傍
(
かたわき
)
だけが、
灯
(
ひ
)
に映った。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
漸
(
やっ
)
と白尾を見て、囁いて聞くと、私たち三人がかりで
片傍
(
かたわき
)
へ連出して、穏かに掛合ったので、何うにか
静
(
しずま
)
って黙ったが、あの
八
(
や
)
ツ
頭
(
がしら
)
を
倒
(
さかさま
)
に植えたような頭は、いま一寸見当らない
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども
言出
(
いひだ
)
した
事
(
こと
)
は、
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほひ
)
だけに
誰一人
(
たれいちにん
)
深切
(
しんせつ
)
づくにも
敢
(
あへ
)
て
留
(
と
)
めやうとするものは
無
(
な
)
く、……
其
(
そ
)
の
同勢
(
どうぜい
)
で、ぞろ/\と
温泉宿
(
をんせんやど
)
へ
帰
(
かへ
)
る
途中
(
とちゆう
)
、
畷
(
なはて
)
を
片傍
(
かたわき
)
に
引込
(
ひつこ
)
んだ、
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
の、とある
祠
(
ほこら
)
へ
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“片”で始まる語句
片
片隅
片手
片端
片頬
片方
片時
片側
片膝
片唾