へん)” の例文
花下かかにある五萼片がくへん宿存しゅくそんして花後かごに残り、八へんないし多片の花弁かべんははじめうちかかえ込み、まもなく開き、かおりを放って花後に散落さんらくする。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
三角塔形をした色彩の強烈な糖菓、サンドウィッチが五六へん、それから菓子店に特有な神秘的なボルド酒とシェリ酒の瓶が二本。
もつとひろく行はるるは摩擦發火法まさつはつくわはうなるが是に又一へんの木切れに他の木切れをててのこぎりの如くに運動うんどうさする仕方しかたも有り
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
前に述べた芸人などの例はもっともく当たることであるが、これはいわば人を幾多いくたへんに切り、そのもっとも長じた所を一般的ノルムで測るのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
およそ物をるに眼力がんりきかぎりありて其外そのほかを視るべからず。されば人の肉眼にくがんを以雪をみれば一片ひとひら鵞毛がまうのごとくなれども、十百へん雪花ゆき併合よせあはせて一へんの鵞毛をなす也。
チエスタア・ロオドの三井物産の支店をはうとして横の小路こうぢはひつた時、白いもしくは水色の五階建がやゝ斜めに両側をしきつた間から浅い藤紫の色をした朝のピンクの一へんが見えたのは快かつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
細長い四五へんの葉が
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
枝端したんに一花ずつ開き、直径はおよそ一二センチメートル内外もあろう。花下かかに五へん緑萼りょくがくがあるが、つぼみの時にはまるく閉じている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
此雪こほりて岩のごとくなるもの、二月のころにいたれば陽気やうき地中よりむしとけんとする時地気と天気とのためわれひゞきをなす。一へんわれ片々へん/\破る、其ひゞき大木ををるがごとし。これ雪頽なだれんとするのきざし也。
黄金きんの太陽のへんと見てをののけり。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
花色かしょくは紫のものが普通品だが、また栽培品にはまれに白花のもの、白地しろじ紫斑しはんのものもある。きわめてまれにがく、花弁が六へんになった異品がある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)