はし)” の例文
人の子を瓦のはしのやうに思つて居るそんな人間を養つて置く広いやしきや無用な塀の多い街を私は我子を置いて死にところとはよう思ひません。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
草刈等はなおまず、怠らず、たゆまず、ここかしこともとむれども、金属は釘のおれ鉄葉ブリキはしもあらざりき。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれどもそれと同時に若先生と私の膝の前に転がっている「あやかしの鼓」の胴が何でもない木のはしのように思われて来たのは、あとから考えても実に不思議であった。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
女王のは木綿ゆうはし
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
山蔭やまかげの土に四つきも五つきもひつゝいて居る落葉のやうなものを着て居るのです。竹の棒やら、木のはしやらを皆持つて居て私等の足に近い所を叩いて居るのです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)