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ぺら
ふりがな文庫
“
片
(
ぺら
)” の例文
棚
(
たな
)
の上から、
薄
(
うす
)
っ
片
(
ぺら
)
な赤い石鹸を取り
卸
(
お
)
ろして、水のなかにちょっと
浸
(
ひた
)
したと思ったら、それなり余の顔をまんべんなく一応撫で廻わした。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
柊
(
ひいらぎ
)
の葉のやうに
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
で、そして又柊の葉のやうに触つた人を刺さないでは置かない雑誌だが、
市
(
まち
)
へ出す数も
極
(
ごく
)
少いので知らぬ人が多いやうだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかし、今から思ふと、いくら呑気な大正時代でも、あんな粗末な体裁のわるい
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
な雑誌が、
数多
(
あまた
)
の名のある雑誌がならんでゐる店頭で、目につく筈がない。
思ひ出すままに:「文藝春秋」と菊池と
(新字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
と、下宿を出る時、手織木綿の風呂敷を用意までして来てゐたので、
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
な小切手を見ると変な顔をした。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
よく云えば執着がなくて、
心機
(
しんき
)
がむやみに転ずるのだろうが、これを俗語に翻訳してやさしく云えば奥行のない、
薄
(
うす
)
っ
片
(
ぺら
)
の、
鼻
(
はな
)
っ
張
(
ぱり
)
だけ強いだだっ子である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
自分は急に陰気になって下へ
降
(
さが
)
る、とうてい
交際
(
つきあい
)
はできないんだと思うと、背中と胸の厚さがしゅうと減って、
臓腑
(
ぞうふ
)
が
薄
(
うす
)
っ
片
(
ぺら
)
な一枚の紙のように
圧
(
お
)
しつけられる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
偶
(
たま
)
に相手が鳥の羽のやうに
薄
(
うす
)
つ
片
(
ぺら
)
な事でも言ひ出すと、象山は直ぐと
懐中
(
ふところ
)
へ手を突つ込んで
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
これはいずれも金盥を
圧
(
お
)
しつぶして
薄
(
うす
)
っ
片
(
ぺら
)
にしたようなものを両手に一枚ずつ持っている。ははあ、あれを叩くんだと思う拍子に、二人は両手をじゃじゃんと打ち合わした。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
家賃は安いがそこは
苦沙弥
(
くしゃみ
)
先生である。
与
(
よ
)
っちゃんや次郎ちゃんなどと号する、いわゆるちゃん付きの連中と、薄っ
片
(
ぺら
)
な垣一重を隔てて御隣り同志の親密なる交際は結んでおらぬ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“片”の解説
片(へん)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“片”を含む語句
片端
一片
木片
片々
片方
紙片
破片
小片
片面
片側
片付
断片
岩片
阿片
布片
片附
砕片
頬片
片傍
片頬笑
...