“心機”の読み方と例文
読み方割合
しんき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
諸君雄豪誠実、あに退心あるべけんや、と云いければ、諸将あいあえものいうものあらず、全軍の心機しんき一転して、生死共に王に従わんとぞ決しける。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こうふたりの君臣のあいだは、微妙な心機しんきと心機にあるらしく、はたからは眼に見ていても、模糊もことしていて、どっちの腹芸なのかわからなかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく云えば執着がなくて、心機しんきがむやみに転ずるのだろうが、これを俗語に翻訳してやさしく云えば奥行のない、うすぺらの、はなぱりだけ強いだだっ子である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)