“心機(しんき)” の例文
諸君雄豪誠実、豈(あに)退心あるべけんや、と云いければ、諸将相(あい)見(み)て敢(あえ)て言(ものい)うものあらず、全軍の心機(しんき)一転して、生死共に王に従わんとぞ決しける。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こうふたりの君臣のあいだは、微妙な心機(しんき)と心機にあるらしく、傍(はた)からは眼に見ていても、模糊(もこ)としていて、どっちの腹芸なのかわからなかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく云えば執着がなくて、心機(しんき)がむやみに転ずるのだろうが、これを俗語に翻訳してやさしく云えば奥行のない、薄(うす)っ片(ぺら)の、鼻(はな)っ張(ぱり)だけ強いだだっ子である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)