“しんき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
辛気25.3%
心悸14.7%
新規12.0%
新奇6.7%
心気6.7%
神気6.7%
心機4.0%
秦亀2.7%
心切2.7%
新禧2.7%
神氣2.7%
辛氣2.7%
秦琪1.3%
新来1.3%
宸記1.3%
心氣1.3%
眞器1.3%
神亀1.3%
祲気1.3%
芯切1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じめじめした秋の雨が長く続いて、崖際がけぎわの茶のや、玄関わきの長四畳のべとべとする畳触りが、いかにも辛気しんきくさかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あに明治の思想界を形容すべき絶好の辞にあらずや。優々閑々たる幕府時代の文学史を修めて明治の文学史に入る者いづくんぞ目眩し心悸しんきせざるを得んや。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
加へ新規しんき建添たてそへなどし失費もいとはず人歩をまして急ぎければわづかの日數にて荒増あらまし成就じやうじゆしたれば然ばとて一先歸國すべしと旅館へは召し連下男一人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
従来藤原村ふじはらむら三十六万町歩即凡そ十三里四方ありとごうする者はたしてしんなりやいなや動植物どうしよくぶつおよび鉱物の新奇しんきなるものありや否等をきはむるにり、又藤原村民の言に曰く
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
何事かあらんと心気しんきを澄ませて片手の木剣に一念こめて、飛鳥の如く手元へ跳り込んだ途端、ピュッと刎ね返って来た金剛杖の陰の横すくい、ぽんと払えば続いて陽に真ッ向う下ろし
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの黄一峯は公孫大嬢こうそんたいじょう剣器けんきのようなものでしたよ。筆墨はあっても、筆墨は見えない。ただ何とも言えない神気しんきが、ただちに心に迫って来るのです。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こうふたりの君臣のあいだは、微妙な心機しんきと心機にあるらしく、はたからは眼に見ていても、模糊もことしていて、どっちの腹芸なのかわからなかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百樹もゝき曰、くだんるに常にある亀とは形状かたち少しくことなるやうなり。依てあんずるに、本草ほんざう所謂いはゆる秦亀しんき一名筮亀ぜいきあるひは山亀といひ、俗に石亀いしがめといふ物にやあらん。
「閉めさせました」とセルゲイは答えると、心切しんきりで蝋燭の心をつまみ、ストーヴの前に立ちどまった。
尊大人そんたいじん様、大孺人じゅじん様を初め御満堂よろしく御超歳ちょうさい大賀たてまつり候。獄中も一夜明け候えば春めき申し候。別紙二、書初かきぞめ、蕪詞、御笑正ねがい奉り候。まず新禧しんき拝賀のためかくの如くに御坐候。恐惶きょうこう謹言。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
すてて遁しこそ遺恨ゐこんなれと自殺してせしとぞ又瀬川は年頃云交いひかはせし男と連副つれそひしに何時となく神氣しんきくるひ左右の小鬢こびんに角の如きこぶ出來し故人々彼の留守居るすゐ執念しふねんにてや有んと云しが何時いつしか人の見ぬ間に井戸ゐどへ身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
餘り辛氣しんき臭いので、氷峰は醉ひの勢ひにまかせて切り出した
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「汝みだりに、五関を破り、六将を殺し、しかもわが部下の秦琪しんきまで斬ったと聞く。つつしんでこうべをわたすか、しからずんば、おれの与えるばくをうけよ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「関羽に殺された秦琪しんきは、猿臂将軍えんぴしょうぐん蔡陽さいようの甥で、特に蔡陽が、おれを見込んで、頼むといってあずけられた部下だ。その部下を討たれて、なんでおれが……」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから「昨日きのうのだ」「新来しんきだ」と騒ぐうちには、自分が彼らと同様の苦痛をめなければならないほど堕落したのを快く感ずると共に
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新来しんきだ」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まず宮中の儀式典礼に心をかけられ、運動遊戯を好まれ、詩会を催され、連歌れんがの会を行われ、ことに各種の遊戯は御堪能ごかんのうであられた。そのことは『後鳥羽院宸記しんき』を拝見すればよく分るのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
病中の處猶又歸牢きらうに相成心氣しんきつかれ心程言葉のまはらざるより自然しぜん對決たいけつも屆かず吟味詰にも相成ずして居たりしうち寶永七年九月廿七日あはれむべし道十郎牢内らうないにて死去に及びけるは不運ふうんと云ふも餘りあり妻お光は此由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
方なくそれはあきらめたが、そのころから割合わりあひに手先の器用きようわたしだつたので、「せう寫眞術しやしんじゆつ」の説明せつめいしたがつて、わたしはとう/\寫眞器しんき自作じさくこゝろざした。
もう一つ「出雲風土記」にも余戸あまべの説明があります。それには、「神亀しんき四年の編戸へんこによる、天平てんぴょうさと」ということが書いてある。神亀しんきというのは奈良の朝、聖武天皇の御代の初めの年号です。
紙谷伸子かみたにのぶこの登場——それが、この事件の超頂点ウルトラ・クライマックスだった。と同時に、妖気祲気しんきの世界と人間の限界とを区切っている、最後の一線でもあったのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
いたし方なく五十吉は寄席よせ蝋燭ろうそく芯切しんきりをし、椙はお茶子ちゃこやとわれたが、足手まといはお光だ。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)