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心悸
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しんき
ふりがな文庫
“
心悸
(
しんき
)” の例文
あるひは
心悸
(
しんき
)
の度はづれな昂進だのによつて、れいの強制的な接続作用にひびが入ると、人はそこで味気ない夜半の寝ざめを味はふことになる。
鸚鵡:『白鳳』第二部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
是
豈
(
あに
)
明治の思想界を形容すべき絶好の辞に
非
(
あら
)
ずや。優々閑々たる幕府時代の文学史を修めて明治の文学史に入る者
奚
(
いづくん
)
ぞ目眩し
心悸
(
しんき
)
せざるを得んや。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
彼処
(
かしこ
)
に房のついた長剣がある。あれは国家主義者の正義であらう。わたしはさう云ふ武器を見ながら、幾多の戦ひを想像し、をのづから
心悸
(
しんき
)
の高まることがある。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが、どきんと
心悸
(
しんき
)
がたかまり、目先がぼーっとなってはッきり確かめることは出来なかった。その同じ位置につづけて一秒と眼をすえておくことさえ出来ないのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
そして氣になる位
心悸
(
しんき
)
が
亢進
(
かうしん
)
して、腕のあたりに
汗
(
あせ
)
がジメ/\することもあツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
牢の入口なる
閂
(
かんぬき
)
の取り
外
(
はず
)
さるる
響
(
ひびき
)
いとど
怪
(
あや
)
しう
凄
(
すさ
)
まじさは、さすがに覚悟せる妾をして身の毛の
逆竪
(
よだ
)
つまでに怖れしめ、
生来
(
せいらい
)
心臓の力弱き妾は
忽
(
たちま
)
ち
心悸
(
しんき
)
の
昂進
(
こうしん
)
を支え得ず、鼓動乱れて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「時務のお疲れでしょう。何かひどく、
心悸
(
しんき
)
を労されたことはありませんか」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
心悸
(
しんき
)
の亢進を覺えるほど滿ち溢れた感激を持つてゐた矢先だつたので。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
わたくしは心配性の逸作に向って、わたくしが父の死を見て
心悸
(
しんき
)
を
亢進
(
こうしん
)
させ、実家の跡取りの弟の医学士から
瀉血
(
しゃけつ
)
されたことも、それから通夜の三日間
静臥
(
せいが
)
していたことも、逸作には話さなかった。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
瑠璃子はまた父が、興奮の余り
心悸
(
しんき
)
が
昂進
(
こうしん
)
して、物も云えなくなっているのではないかと思うと、急に不安になって来て、争いの
舞台
(
シーン
)
たる兄の書斎の方へ、足音を忍ばせながらそっと近づいて行った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
わたしはそう云う武器を見ながら、幾多の戦いを想像し、おのずから
心悸
(
しんき
)
の高まることがある、しかしまだ幸か不幸か、わたし自身その武器の一つを
執
(
と
)
りたいと思った記憶はない。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“心悸”の意味
《名詞》
心 悸(しんき)
心臓の鼓動。
(出典:Wiktionary)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
悸
漢検1級
部首:⼼
11画
“心悸”で始まる語句
心悸亢進