“心気(しんき)” の例文
旧字:心氣
いまにその中に巻きこまれてしまうかと思うような現(うつつ)なさで、追々、心気(しんき)悩乱してとりとめないまでになった。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
何事かあらんと心気(しんき)を澄ませて片手の木剣に一念こめて、飛鳥の如く手元へ跳り込んだ途端、ピュッと刎ね返って来た金剛杖の陰の横すくい、ぽんと払えば続いて陽に真ッ向う下ろし
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そして又えらう心気(しんき)な御様子(ごやうす)でおますが、何処(どこ)に御行(おゆき)やすのどすえ」
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
御嶽山(おんたけさん)へでも行った時、よく気をつけて見ていらっしゃい、石窟(いわむろ)の閉めきったところで炭火をどんどん起してちぢかんでいると、心気(しんき)の弱いものは、たまにこんな死に方をする。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「もうだいぶ酩酊(めいてい)ぎみだよ。日も靉靆(あいたい)と暮れかかるし、心気(しんき)は朦朧(もうろう)だ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)