トップ
>
片
>
かけ
ふりがな文庫
“
片
(
かけ
)” の例文
「色も匂ひも味もないところを見ると、
砒石
(
ひせき
)
だらうと言ふことで、喰べ殘しの小さい
片
(
かけ
)
らを、本道の石齋が持つて行きましたが」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人の少女は小さな箱から氷の
片
(
かけ
)
を二ツ三ツ、皿に乗せて出して、少年の
枕頭
(
まくらもと
)
に
置
(
おい
)
て、「もう
此限
(
これぎり
)
ですよ、また
明日
(
あした
)
買ってあげましょうねエ」
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
無数の米粒の中に、もしや見えざる石の
片
(
かけ
)
が混っていて、主人が胃を破りその生命を危くするような事がありはせまいか。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ロスリッジが黙って俯向いて、
焼麺麭
(
トースト
)
の
片
(
かけ
)
を弄んでいるので、細君は半ば冗談に、だが、何となくきっとした声で
双面獣
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
が、遂に風に吹かれて円莢の
片
(
かけ
)
が、種子ごと一緒に遠くの方へ吹き飛ばされて了ふ。その種子は
斯
(
こ
)
うして新しい地面を見つけて、芽を出して木になるのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
▼ もっと見る
爽
(
さわや
)
かな飲料で絶えず舌と
顋
(
あご
)
と
咽喉
(
のど
)
を洗っていなくてはいたたまれなかった。余は医師に氷を請求した。医師は固い
片
(
かけ
)
らが
滑
(
すべ
)
って胃の
腑
(
ふ
)
に落ち込む危険を恐れた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
殆
(
ほと
)
んど
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
くことも
出來
(
でき
)
ませんでした、
辛
(
やつ
)
とのことで
左手
(
ゆんで
)
の
一
(
ひ
)
ト
片
(
かけ
)
を
少
(
すこ
)
しばかり
嚥
(
の
)
み
込
(
こ
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
炭団でなければ起った炭火へ灰をかけてちょいと手を
翳
(
かざ
)
せるほどにして火鉢なら
鉄架
(
てっきゅう
)
の上へ玉子焼鍋を置いて炭団を蓋の上の四隅へ四つに割った一
片
(
かけ
)
ずつ載せておきます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
床には
麺麭
(
パン
)
の
片
(
かけ
)
らが散らばっているし、卓布には煙草の灰までくっついている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
たとえ食べものや寝所が欲しさに戸を叩いたとしても、牛
小舎
(
ごや
)
の隅の藁床へなりと寝かしてくれたっていいじゃないか。犬に食わせる
麺麭
(
パン
)
の
片
(
かけ
)
らぐらい
頒
(
わ
)
けてくれたってよさそうなものだ。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「左様でございます。ほんたうに、雲の
片
(
かけ
)
一つだつてございませんわ。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
ぼろ屑は
笊
(
ざる
)
に入れ、
果物
(
くだもの
)
の種は
小桶
(
こおけ
)
に入れ、シャツは
戸棚
(
とだな
)
に入れ、毛布は
箪笥
(
たんす
)
に入れ、紙屑は窓のすみに置き、食べられる物は
鉢
(
はち
)
に入れ、ガラスの
片
(
かけ
)
は暖炉の中に入れ、破れ
靴
(
くつ
)
は
扉
(
とびら
)
の後ろに置き
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「とても疲れちゃったわ。」セエラは
跛
(
びっこ
)
の足台にぐたりと坐りました。「おや、メルチセデクがいるのね。可哀そうに、きっと御飯をもらいに出て来たのだわ。でも、今夜は一
片
(
かけ
)
も残っていないのよ。 ...
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
護摩壇
(
ごまだん
)
も、天井裏も、床下も、押入も、一刻(二時間)ばかりで見尽しましたが、竹筒はおろか、小判の
片
(
かけ
)
らも見付かりません。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
第一
(
だいいち
)
の
證人
(
しようにん
)
は
帽子屋
(
ばうしや
)
でした。
彼
(
かれ
)
は
片手
(
かたて
)
に
茶碗
(
ちやわん
)
、
片手
(
かたて
)
に
牛酪麺麭
(
バターパン
)
を
一
(
ひ
)
ト
片
(
かけ
)
持
(
も
)
つて
入
(
はい
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「左様でございます。ほんとうに、雲の
片
(
かけ
)
一つだってございませんわ。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「こうだ」と甲野さんが壊れた
片
(
かけ
)
を土の上に眺めている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
腐った果物の
片
(
かけ
)
ら一つでも鼠と争わねばならなかった。
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
怪
(
あや
)
し
気
(
げ
)
ながら
端渓
(
たんけい
)
で、よく洗ってあるのもたしなみですが、墨は
親指
(
おやゆび
)
ほどではあるが唐墨の
片
(
かけ
)
らに違いなく、筆も一本一本よく洗って拭いてあります。
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、やがて
愛
(
あい
)
ちやんは、
伸
(
の
)
びるだけ
遠
(
とほ
)
くへ
兩腕
(
りやううで
)
を
伸
(
の
)
ばして、
其端
(
そのはし
)
を一
ト
片
(
かけ
)
叩
(
たゝ
)
き
落
(
おと
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
賣りに出た御家人の株といふのは何んと千兩、小判の
片
(
かけ
)
らも無い寺西右京は、碁を打ち乍ら溜息ばかりついて來た
銭形平次捕物控:279 持参千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鍋の
片
(
かけ
)
ら、銅の藥罐、鍋鐵、眞鍮の煙管、何でも同じこと、お望みなら山吹色の小判でも、貴方がたの鼻の先で、見事
瞬
(
またゝ
)
きする間に銀にしてお目にかける。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「小判なんざ、
片
(
かけ
)
らも出やしません。出て來たのは、古釘と五徳のこはれと、
鐵漿
(
かね
)
の壺だけ、これでも金には違ひありませんが、——飛んだくたびれ儲けで」
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何處にも、血の付いた脇差も、小判の
片
(
かけ
)
らもありません。天井も、床下も、押入も、蒲團の中も見ました。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どこにも、血の付いた脇差も、小判の
片
(
かけ
)
らもありません。天井も、床下も、押入も、蒲団の中も見ました。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「確かなことは判らないが、空の千兩箱が二つも庭に
抛
(
はふ
)
り出してあつたよ。中味は小判の
片
(
かけ
)
らも無い」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それへ一々銀流しをかけて鍋の
片
(
かけ
)
やら、藥罐の
蓋
(
ふた
)
と一緒に並べたのは、實に人を喰つたやり方です。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それへ一々銀流しをかけて鍋の
片
(
かけ
)
やら、薬缶の蓋と一緒に並べたのは、実に人を喰ったやり方です。
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人の又左衛門始め、丁稚小僧まで加わって、大地を掘らぬばかりに捜し抜きましたが、三千両は遠く持去られたものか、浪花屋の居廻りには、
片
(
かけ
)
らも見えなかったのです。
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一つはチョークの
片
(
かけ
)
ら、これは門番の
小倅
(
こせがれ
)
へ返してやって下さい。もう一つは、手帳から引むしった、金庫の合言葉を書いた紙、これは家扶の本藤へ返してやって頂き度い。
判官三郎の正体
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お勝手から裏へ出ると、浅い
釣瓶
(
つるべ
)
井戸があって、物置があって、その裏に
埃溜
(
ごみため
)
がありますが、どんなに念入りに捜したところで、菓子の
片
(
かけ
)
らも見付かることではありません。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その上、浪花屋の前を通り越して、
霊岸橋
(
れいがんばし
)
の袂へ消炭の
片
(
かけ
)
らを捨てて行ったのは、どうだ。
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それが金を溜めている証拠じゃないか。商売物の品をあれだけ買いためている癖に、ろくな着替えも、膳や小鉢や、
鰹節
(
かつおぶし
)
の
片
(
かけ
)
らも無いというのは、周助の並々でない心掛けだ」
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
香具師
(
やし
)
の懐中にも小判の
片
(
かけ
)
らも見えないとすれば、早くもどこかへ隠したか、でなければ、横合から五千両を
攫
(
さら
)
われて、
自棄
(
やけ
)
のやん八で
国府
(
こくぶ
)
と
濁酒
(
どぶろく
)
に贅を尽していたのだと睨んだのです。
銭形平次捕物控:055 路地の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
余吾之介が格子から顔を出すと、外は冷たい月、人間の
片
(
かけ
)
らも見えません。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鍋の
片
(
かけ
)
ら、
銅
(
あか
)
の薬缶、鉄鍋、真鍮の
煙管
(
きせる
)
、何でも同じこと、お望みなら山吹色の小判でも、
貴方
(
あなた
)
がたの鼻の先で、見事瞬きする間に銀にしてお目にかける、嘘だと思う方は煙管でも、
釵
(
かんざし
)
でも
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると、
頸筋
(
くびすじ
)
から噴き出した恐ろしい血潮が、お市の半身と、その辺の雪を
物凄
(
ものすさ
)
まじく染めておりますが、見渡したところ、縁の下にも、庭の中にも、お化けはおろか、人間の
片
(
かけ
)
らも見えません。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しましたが、人間の
片
(
かけ
)
ら猫一匹居なかつたやうで、へエ——
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「九百九十両の
片
(
かけ
)
らを使った人間があるんで」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「九百九十兩の
片
(
かけ
)
らを使つた人間があるんで」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「漆原の主人重三郎が一と月前に死んだのさ。年は三十五で病氣は三年も前から床に就いて居る長い間の
癆咳
(
らうがい
)
。これは壽命で何んの不思議もないが、その後に殘された筈の七八千兩の大金が、何處に隱してあるか小判の
片
(
かけ
)
らも見えない」
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その太左衞門は一年前に
亡
(
な
)
くなつたが、何百年も溜めた寳が、どう積つても萬とある筈だといふので、家中の者から遠い近い親類まで寄つて、天井裏から床下、屋敷の居廻り何萬坪といふ大地の皮まで引つ剥がして見たが、小判の
片
(
かけ
)
らも出て來ない」
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“片”の解説
片(へん)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“片”を含む語句
片端
一片
木片
片々
片方
紙片
破片
小片
片面
片側
片付
断片
岩片
阿片
布片
片附
砕片
頬片
片傍
片頬笑
...