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弁
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しゃべ
ふりがな文庫
“
弁
(
しゃべ
)” の例文
旧字:
辯
ある寒い朝、十時ごろに
楊枝
(
ようじ
)
をつかいながら台所へ出て来た笹村の耳に、思い出したこともない
国訛
(
くになま
)
りで
弁
(
しゃべ
)
っている男女の声が聞えて来た。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
真実
(
ほんと
)
に……。」と
鼻頭
(
はなさき
)
で笑って、「和泉屋の野郎、よけいなことばかり
弁
(
しゃべ
)
りやがって、
彼奴
(
あいつ
)
に
私
(
あっし
)
が何の厄介になった。干渉される
謂
(
い
)
われはねえ。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
兄が百姓をしていて、
弟
(
おとと
)
が土地で養子に行っていることも話した。
養蚕時
(
ようさんどき
)
には養蚕もするし、そっちこっちへ金の時貸しなどをしていることも
弁
(
しゃべ
)
った。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「こんなことは、四ツ谷なぞへ行って、あまり
弁
(
しゃべ
)
っちゃいけないよ。」お袋はこう言ってお庄に口留めをした。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「君の評判は大したもんですぜ。」と和泉屋は
突如
(
だしぬけ
)
に
高声
(
たかごえ
)
で
弁
(
しゃべ
)
り出した。「
先方
(
さき
)
じゃもうすっかり気に入っちゃって、何が何でも一緒にしたいと言うんです。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
口から
泡
(
あわ
)
を飛ばして自分のことばかり
弁
(
しゃべ
)
っていた叔母の弟も、叔父の机のところから持って来た、古い実業雑誌を見ていながら、だんだん気が重くなって来た。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
東京で聞えた役者のことをこの母親もなにかとなく知っていて、独りで調子に乗って
弁
(
しゃべ
)
った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
鶴さんは感激したような調子で、
弁
(
しゃべ
)
るだけのことを弁ると、
煙管
(
きせる
)
を筒に収めて帰りかけた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
女の
弁
(
しゃべ
)
ったりしたりすることを見ていると、暗いその部屋を起つのが億劫なほど、心も体も一種の
慵
(
ものう
)
い安易に侵されるのであったが、やはりいらいらした何物かに苦しめられていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
母親から突き放されたこの幼児の廻らぬ舌で
弁
(
しゃべ
)
ることは、自分自身の
言語
(
ことば
)
のように、誰よりも一番よく父親に解った。いらいらしたような子供の神経は、時々大人をてこずらすほど意地を悪くさせた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
男達はみんなお島の
弁
(
しゃべ
)
る顔を見て、面白そうに笑っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
弁
常用漢字
小5
部首:⼶
5画
“弁”を含む語句
弁解
弁別
弁当
花弁
弁疏
一弁
俗説弁惑
通弁
安全弁
弁妄
訥弁
弁駁
陳弁
弁舌
弁口
弁償
抗弁
駄弁
詭弁家
抜弁天
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