“国訛”のいろいろな読み方と例文
旧字:國訛
読み方割合
くになま55.6%
くになまり44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある寒い朝、十時ごろに楊枝ようじをつかいながら台所へ出て来た笹村の耳に、思い出したこともない国訛くになまりでしゃべっている男女の声が聞えて来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
なにか、国訛くになまりの早言葉を、がやがや交わし合っていたと思うと、露八へは、二名だけを残して、にわかに駈けだして行った。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、小店だと、相手が越後の国蒲原郡何村かんばらごおりなにむらの産の鼻ひしゃげか何かで、私等わしらが国さでと、未だ国訛くになまりが取れないのになる。往々にして下女にも劣る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とお倉はいくらか国訛くになまりの残った調子で言った。この嫂はひどく宗蔵を忌嫌いみきらっていたが、でも話相手には成る。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)