“べん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ベン
語句割合
32.9%
便11.6%
9.0%
9.0%
8.4%
7.1%
5.2%
5.2%
3.2%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
0.6%
0.6%
0.6%
弁口0.6%
弁当0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜などはどこに行ったのかちっとも帰って来ない。そういう事がたびたびあって用をべんずることが出来んので大いに困った事がある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
いん平仄ひょうそくもない長い詩であったが、その中に、何ぞうれえん席序下算せきじょかさん便べんと云う句が出て来たので、誰にも分らなくなった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やればできる力をもつてゐながら、なかなかやらうとしない一種の引込思案、乃至は億劫がり、右べん、いづれも、「意志」の栄養不良、動脈硬化、関節不随であります。
卑俗なたとえだけれど、小児こどもが何とかすると町内を三べん廻らせられると言つた形で、此が大納言の御館みたちを騒がした狂人であるのは言ふまでもなからう。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はゝ大方おほかたかゝること今朝けさよりの懸念けねんうたがひなく、幾金いくらとねだるか、ぬるき旦那だんなどのゝ處置しよちはがゆしとおもへど、れもくちにてはかちがたき石之助いしのすけべん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
およぜいかたきは、もつくことるのかたきにあらざるなり(五七)またべんあきらかにするのかたきにあらざるなり
それもたいがい大徳寺に参禅さんぜんしていたもので、ひとたび国許から合戦の通知をうけるや否、馬に乗って一べん戦場へ駆け、また一戦終ると、禅のゆかに姿が見られたとは
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見ていると、海草のヌルヌルした青黒い密林が、おどろおどろと乱れゆらいで、白い五べんの花が、ポッカリと咲き出でた。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
けれども宗助そうすけくたびに、御米およねかなら挨拶あいさつるとはかぎらなかつた。三べんに一ぺんぐらゐかほせないで、はじめてのときやうに、ひつそりとなりのへやしのんでゐることもあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
形は小さいが恰好は善く、而かも堅實な感を與へる和漢折衷の面白い樣式が氣に入つた。之と同じ形の門が、私は見なかつたが首里の東北べんゲ嶽にもあるさうである。
沖縄の旅 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
朝鮮人をすべて高麗人と呼ぶのは昔からのならわしである。今も半数は鮮姓を承ぎ、ちんさいていぼくきんりんべん等昔のままである。明治までは特殊な部落であって雑婚を堅く封じられた。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
べん州の西に板橋店はんきょうてんというのがあった。店の姐さんは三娘子さんじょうしといい、どこから来たのか知らないが、三十歳あまりの独り者で、ほかには身内もなく、奉公人もなかった。
「じゃアひとつ、北国路へでもいって、あの敦賀津つるがつの海にべんがらをおッ立てている、龍巻たつまき九郎右衛門くろうえもん合体がったいして、こんどは海べのほうでも荒してやるか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるに奸臣かんしん斉泰せいたい黄子澄こうしちょう、禍心を包蔵し、しゅくはくけいべんの五弟、数年ならずして、並びに削奪さくだつせられぬ、はくもっともあわれむべし、闔室こうしつみずからく、聖仁かみに在り、なんなんこれに忍ばん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大寧たいねいに居らしめ、第十八子べんを封じてびん王となし、第十九子けいを封じてこく王となす、谷王というはるところ宣府せんふ上谷じょうこくの地たるを以てなり、第二十子しょうを封じてかん王となし、開源かいげんに居らしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その次にえらくなるのは君だとみんなが云つているから、しつかりべん強したまへ、と言つた言葉を憶ひ出し、わるい氣持はしなかつたのである。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
三井寺の叡効律師といふ人、此の寺に二三年行ひて、無言にて法華経を六千部読み講じき。夜毎に三千べん拝しけり。
を背負って、江戸中の良家をあきなって廻るので、名残りなくにも焼け、弁口べんも爽かで、お琴と因縁をつけるにしては、その年齢からして違います。
今朝けさ早く、汽車弁当べんを一つ喰った切り、何も腹に入れていなかったせいかも知れないが……。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)