トップ
>
鞭
>
べん
ふりがな文庫
“
鞭
(
べん
)” の例文
清吉はさう言つて、
草履
(
ざうり
)
を突つかけるのももどかしさうに、堀割を
隔
(
へだ
)
てた材木置場の方へ行きました。其處へガラツ八に先
鞭
(
べん
)
をつけられるのを恐れる樣子です。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それもたいがい大徳寺に
参禅
(
さんぜん
)
していたもので、ひとたび国許から合戦の通知をうけるや否、馬に乗って一
鞭
(
べん
)
戦場へ駆け、また一戦終ると、禅の
床
(
ゆか
)
に姿が見られたとは
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とかくは
馬蹄
(
ばてい
)
の
塵
(
ちり
)
に
塗
(
まみ
)
れて
鞭
(
べん
)
を
揚
(
あ
)
ぐるの
輩
(
はい
)
にあらざるなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は、貂蝉をしかと抱いて、乱軍の中を馳け出し、自分の
金鞍
(
きんあん
)
に乗せて、一
鞭
(
べん
)
、長安へ帰って来た。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御者は見も返らず、勢
籠
(
こ
)
めたる一
鞭
(
べん
)
を加えて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
しかも、ここまで来ると、敵国長安の府も
潼関
(
どうかん
)
も、また都
洛陽
(
らくよう
)
も、一
鞭
(
べん
)
すでに
指呼
(
しこ
)
のうちだ。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど刹那には、本能的な一
鞭
(
べん
)
がビシッと馬腹を打っていた。そして飛鳥のようなひるがえりを見せたと思うと、城壁の蔭からそれを狙ッて石砲の石弾がドドドッと撃ち出された。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徐庶は、最後の拝をして、一
鞭
(
べん
)
、飛ぶが如く、許都の空へと馳け去った。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
鞭
(
べん
)
の
下
(
もと
)
に呼び出して、これを敵のうちへ追い放つなど、千変万化、じつに極まりのないもので、宋江が身の
護符
(
ごふ
)
としている「天書」の活用も、これには、ほとんど用をなさないからであった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すなわち単福をもって、一躍軍師に挙げ、これに指揮
鞭
(
べん
)
を授けて
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに、念願が届いて、ついにわが君に随身の機縁を得、なお素姓も定かならぬそれがしを、深くお信じ下されて、軍師の
鞭
(
べん
)
を賜わるなど、過分なご恩は忘れんとしても忘れることはできません。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
牛は、烈しい一
鞭
(
べん
)
の下に、車の輪を鳴らして駈け出した。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奔馬
(
ほんば
)
の脚では一
鞭
(
べん
)
の間であった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“鞭”の解説
鞭(むち、笞、Whip)は、動物(人も含む)を打つ(たたく)ための道具であり、持ち手(棒)の先に革の紐を編んで蛇状にした縄を取り付けた一本鞭(牛追い鞭:bullwhip)、竹などのよくしなる細長い棒状のもの(騎馬鞭)、などがある。動物に対しては、カウボーイが牛を追いたてるときや乗馬で騎手が馬を制御するときなどに使われる。また、人に対しては、主に殺傷目的以外の刑罰や拷問に用いられる。
(出典:Wikipedia)
鞭
漢検準1級
部首:⾰
18画
“鞭”を含む語句
三鞭酒
鞭打
三鞭
教鞭
革鞭
馬鞭草
鞭韃
鞭撻
一鞭
鞭影
鞭索
金鞭
先鞭
鉄鞭
鞭声粛々
鞭策
鞭声
棄鞭
捨鞭
激励鞭撻
...