“鞭韃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
べんたつ66.7%
むち16.7%
むちう16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつも互いに鞭韃べんたつし合うという風で、——おれたちが家督したら鳥羽藩に活きた政治をおこなおうぞ、などと云いあいしたものであった。
彩虹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
堪忍かんにん強い父は黙って森彦叔父の鞭韃むちを受けた。この叔父の癖で、言葉に力が入り過ぎるほど入った。それを聞いていると、お俊はかえって不幸な父をあわれんだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
昔親切によく世話をしてった多くの後輩の前にも、先生は黙って首を垂れて、「鞭韃むちうて」と言わないばかりの眼付をする人に成った。ふるい友達は大抵先生を捨てた。先生も旧い友達を捨てた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)