“むちう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鞭30.8%
鞭打26.7%
夢中20.0%
笞7.5%
策5.8%
鞭撻2.5%
撻1.7%
笞打1.7%
無中0.8%
無宙0.8%
筈0.8%
鞭韃0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなわちこの物語のごときも、中絶することすでに二三週、今ようやく再び筆を執るといえども、駑馬(どば)に鞭(むちう)ちて峻坂(しゅんぱん)を登るがごとし。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
矢を射かけたのが権八らしいということは、正内老人も否定していたが、べつの意味でも、いちは権八の手であんなにひどく鞭打(むちう)たれた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
原稿(げんかう)を書(か)く、氣(き)もちよく筆(ふで)が運(はこ)ぶので夢中(むちう)になつた、その夢中(むちう)を覺(さ)ました聲(こゑ)は猫(ねこ)である、あら座蒲團(ざぶとん)に座(すは)つて、すましてゐる。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
我は嘗て古(いにしへ)の信徒の自ら笞(むちう)ち自ら傷(きずつ)けしを聞きて、其情を解せざりしに、今や自らその爲す所に倣(なら)はんと欲するに至りぬ。
火を溝渠(こうきよ)の中に焚きて食を調(とゝの)へたり。手に小鼓(タムブリノ)を把(と)りて、我等を要して卜筮(ぼくぜい)せんとしつれど、馭者は馬に策(むちう)ちて進み行きぬ。
自分の心を鞭撻(むちう)ったが、一向効果がないらしかった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
凡夫の悲しさ、源はその日のことを馬の過失(せい)にして、さんざんに当り散した。丁度、罪人を撻(むちう)つ獄卒のように、残酷な性質を顕したのです。馬に何の罪があろう。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして、この男の髪(かみ)へ縄(なわ)をつけて、はたもの(罪人を笞打(むちう)つためにしばりつける刑具(けいぐ)である)
女強盗 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
猜忌(さいき)、嫉妬、疑惑、さういふものが常に全身を圧した。そして無中(むちう)に有を見るに苦んだ。時には魂も亡ぶやうな苦しみを苦んだ。
心理の縦断と横断 (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
アトは無宙(むちう)で驅け出したです。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ベルナルドオは祭の王のよしなき戲を無禮(なめ)しといきどほり、そのまゝ樓を走り降りて筈(むちう)ち懲らさばやといひしを、樂長は餘(よ)のひと/″\と共になだめ止むるほどに
昔親切によく世話をして遣(や)った多くの後輩の前にも、先生は黙って首を垂れて、「鞭韃(むちう)て」と言わないばかりの眼付をする人に成った。旧(ふる)い友達は大抵先生を捨てた。先生も旧い友達を捨てた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)