“むち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムチ
語句割合
鞭79.0%
笞9.7%
無智5.2%
策2.4%
無恥0.9%
杖0.4%
無知0.4%
無耻0.4%
革鞭0.4%
撻0.2%
棰楚0.2%
鞭韃0.2%
韃0.2%
馬鞭0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふたりとも、黒っぽい洋服を着、長い靴をはき、細い鞭(むち)を持っていました。鞭や手綱(たづな)には、何かきらきら光るものがついていました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
一たんそうした心理が、芽ばえてきたが最後、もうどうすることもできなかった。細君の一挙一動が、彼にとっては拷問の笞(むち)になった。
二人の盲人 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
良人の父親と醜(みにく)いちぎりを結ぶにいたっては、獣(けもの)にもひとしいと云う事は、いくら無智(むち)な女でも知っているはずであるのに……。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
策(むち)を揚(あ)げざまに余が方を顧(かえり)みて曰(いわ)く大丈夫だ安心したまえ、殺しやしないのだからと、余心中ひそかに驚いて云う
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
(因果(いんが)は巡(めぐ)る)……と、おかしくもなってくるし、(これは、苦手)と、時々、信雄の人の好さから来る無恥(むち)と無反応に、処置(しょち)のない惧(おそ)れも感じさせられた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人の前途を祝福しながら、ホートンは馬へ杖(むち)を呉(く)れ拉薩市の方へ走らせた。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ヒポコンデリア之(こ)れいかなる病(やまい)ぞ。虚弱(きよじやく)なる人(ひと)のみ之(これ)を病(や)むべきか、健全(けんぜん)なる人(ひと)之(これ)を病(や)む能(あた)はざるか、無學(むがく)之(これ)を病(や)まず却(かへ)つて學問(がくもん)之(これ)を引由(いんゆう)し、無知(むち)之(これ)を病(や)まず、知識(ちしき)あるもの之(これ)を病(や)む事(こと)多(おほ)し。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
今までの手口から見て、無耻(むち)で、殘酷で、手加減も遠慮もないところを見ると、どう斟酌(しんしやく)して考へても、人間らしい心の持主とは思へなかつたのです。
革鞭(むち)のようにしなやかな抜身の平(ひら)で力一パイ……ビシン……ビシン……と叩きのめした。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と同時に不思議や亀縮(かじか)んでいた異性に対する本能の触手が制約の撻(むち)を放れてすくと差し延べられるのを感じた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
堪忍(かんにん)強い父は黙って森彦叔父の鞭韃(むち)を受けた。この叔父の癖で、言葉に力が入り過ぎるほど入った。それを聞いていると、お俊は反(かえ)って不幸な父を憐(あわれ)んだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
又役者が意気揚々と、房のついた韃(むち)を振りまわしていたら、その役者の股ぐらの下には、驕(おご)って行かざる紫騮か何かが、嘶(いなな)いているなと思うべきである。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこへ彼が今朝、真っ先に命じて、山地の方へ偵察にやった腹心の後藤右衛門が、馬鞭(むち)を手に大汗かいて帰って来た。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)