“無知(むち)” の例文
なかに緑(みどり)のがあつたが、それはきつと木(こ)の葉(は)を縫(ぬ)ひつけたのだらう。皆(みんな)野育(のそだち)の無知(むち)の子供(こども)たちで、どこを指(さ)して行(ゆ)くのだか、何(なに)しろずんずん歩(ある)いてゆく。唯(たゞ)耶路撒冷(イエルサレム)を信(しん)じてゐる。
ヒポコンデリア之(こ)れいかなる病(やまい)ぞ。虚弱(きよじやく)なる人(ひと)のみ之(これ)を病(や)むべきか、健全(けんぜん)なる人(ひと)之(これ)を病(や)む能(あた)はざるか、無學(むがく)之(これ)を病(や)まず却(かへ)つて學問(がくもん)之(これ)を引由(いんゆう)し、無知(むち)之(これ)を病(や)まず、知識(ちしき)あるもの之(これ)を病(や)む事(こと)多(おほ)し。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)