むちう)” の例文
ひとりの聲高くひとりの聲低きことあり、こは情の我等をむちうちて或ひはつよく或ひは弱く語らしむるによる 一一八—一二〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
火を溝渠こうきよの中に焚きて食を調とゝのへたり。手に小鼓タムブリノりて、我等を要して卜筮ぼくぜいせんとしつれど、馭者は馬にむちうちて進み行きぬ。
渠はこの介抱をあるじおうなたのみて、その身は息をもかず再び羸馬るいばむちうちて、もと来しみちを急ぎけり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
晏子あんしせいしやうり、づ。その(五六)ぎよつま(五七)門間もんかんより其夫そのをつとうかがふ。其夫そのをつとしやうぎより、(五八)大蓋たいがいようし、(五九)駟馬しばむちうち、(六〇)意氣揚揚いきやうやうとしてはなは自得じとくせり。
〈同の上疏するや、馬をむちうづ、馬地に伏して起たず、同咆して曰く、われ死を畏れず、なんじなにする者ぞ、馬なお盤辟ばんぺき再四して行く、同死して馬長号数声してまた死す〉(『大清一統志』一九九)。
うまむちうつて難有ありがたうともなんとも言はずつてしまつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
されど女がその定まらずみだりなる目を我にむくるや、かの心猛き馴染なじみ頭より足にいたるまでこれをむちうち 一五四—一五六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
をぢは家を遠ざかるにつれて、驢をむちうたしむること少ければ、道行く人々皆このあやしき凹騎ふたりのりに目をけて、美しき兒なり、何處よりか盜み來し、と問ひぬ。
この時かのむちうたるゝもの顏を垂れて己を匿さんとせしかども及ばず、我曰ひけるは、目を地に投ぐる者よ 四六—四八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
なやまされ、かつはいそぎむちうたれつゝ、我わが導者に從ひてさゝはり多き道を歩み、正しき刑罰を憐みゐたるに 四—六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)