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笞
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むちう
ふりがな文庫
“
笞
(
むちう
)” の例文
自分を
笞
(
むちう
)
ち、笞ち、今日までどうなり正しい道を踏みはずさないでは来たものの、その頃は事毎に迷うことばかりで、苦しんだものじゃ。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
我は嘗て
古
(
いにしへ
)
の信徒の自ら
笞
(
むちう
)
ち自ら
傷
(
きずつ
)
けしを聞きて、其情を解せざりしに、今や自らその爲す所に
倣
(
なら
)
はんと欲するに至りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
横着者奴
(
おうちゃくものめ
)
」と宮崎が叫んで立ちかかれば、「出し抜こうとしたのはおぬしじゃ」と佐渡が身構えをする。二艘の舟がかしいで、
舷
(
ふなばた
)
が水を
笞
(
むちう
)
った。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
笞
(
むちう
)
たしむること日ごとに十杖、もって十日に及んだが、なお固く
執
(
と
)
って動かなかったので、さすがの太守も呆れ果てて、終にこれを放免してしまった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
あるいは恐る、日ごろ心
猛
(
たけ
)
かりし父の、地下より
跳
(
おど
)
り
出
(
い
)
でて我を
笞
(
むちう
)
つこと三百、声を励まして我が
意気地
(
いくじ
)
なきを責め、わが
腑甲斐
(
ふがい
)
なきを
懲
(
こら
)
し給わんか。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
ロミオ
氣
(
き
)
は
狂
(
ちが
)
はぬが、
狂人
(
きちがひ
)
よりも
辛
(
つら
)
い
境界
(
きゃうがい
)
……
牢獄
(
らうごく
)
に
鎖込
(
とぢこ
)
められ、
食
(
しょく
)
を
斷
(
た
)
たれ、
笞
(
むちう
)
たれ、
苛責
(
かしゃく
)
せられ……(下人の近づいたのを見て)や、
機嫌
(
きげん
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いかにこれを愛したとてただ従来七度
笞
(
むちう
)
ったところを五度に減じ得るのみでやはり笞つことを止められぬ。
いわゆる自然の美と自然の愛
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
宮は
仇
(
あだ
)
の為に病めるを
笞
(
むちう
)
たるるやうにも覚ゆるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
幸いにその血が一つに合ったので、裁判は直ちに兄側の勝訴となって、弟は
笞
(
むちう
)
って放逐するという宣告を受けた。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
害を加えた物に対して
快
(
こころよ
)
くない感情を
惹起
(
ひきおこ
)
すのは人の情であって、殊に未開人民は復讐の情が
熾
(
さかん
)
であるから、木石を
笞
(
むちう
)
って僅に余憤を洩す類のことは
尠
(
すく
)
なくない。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
その詩に史上の事實を
矯
(
た
)
め、聞くに堪へざる平字の連用をなしたるなど、皆
笞
(
むちう
)
ち
懲
(
こら
)
すべき
科
(
とが
)
なるを。我はまことに甚しき不快を覺えき。かゝる事に逢ふごとに、我は健康をさへ害せられんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
即ち現行盗の犯人は、もし自由人ならば
笞刑
(
ちけい
)
に処した
後
(
の
)
ち被害者に引渡してその奴隷となし(いわゆる身位喪失の刑)、奴隷ならば先ず
笞
(
むちう
)
った後ちこれを死刑に処する。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
笞
漢検1級
部首:⽵
11画
“笞”を含む語句
笞刑
笞打
笞刑吏
笞懲
笞責
鞭笞