“一鞭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとむち77.8%
いちべん22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが驚いたことには、甚兵衛が馬に一鞭ひとむちあてて帰りかけると、その馬の足の早いこと、まるで宙を飛ぶように進んで行きます。
天下一の馬 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
多寡たかの知れた女ひとりに、そう立ち騒ぐこともあるまい。誰よりもよく八雲の顔を見知っている此方が、一鞭ひとむちてて捕えてくる』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
霧は林をかすめて飛び、道をよこぎつて又た林に入り、真紅しんくに染つた木の葉は枝を離れて二片三片馬車を追ふて舞ふ。御者ぎよしや一鞭いちべん強く加へて
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
馬腹へ一鞭いちべんすればすぐ届くところなのだ。四万と聞える今川勢の潮のような大軍が、もう眼に見えるここちがする。耳に聞えるここちがする。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)