“ひとむち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一鞭95.5%
一策4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眇目の男は無言で向こうを指さすと、武者はうなずいて馬に一鞭ひとむちあてた。つづいて十騎二十騎、あとにはかちの者も七八十人付き添って、あき草の中を泳いで通った。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「蛸め。式部は卑怯ひきょうだ。かまわぬ、つづけ!」と式部の手のゆるんだすきを見て駒に一鞭ひとむちあて、暴虎馮河ぼうこひょうが、ざんぶと濁流に身をおどらせた。式部もいまはこれまでと観念し
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
少女は伸びあがりて、「御者、酒手さかては取らすべし。れ。一策ひとむち加へよ、今一策。」と叫びて、右手めてに巨勢がうなじいだき、おのれはうなじをそらせて仰視あおぎみたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)