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瓣
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べん
ふりがな文庫
“
瓣
(
べん
)” の例文
それは徑一寸二三分の眞鍮板で、形は四つ
瓣
(
べん
)
の梅の花、
蕋
(
しべ
)
のところの模樣は、まん字になつて居るといふ、世にも變つた品でした。
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ていると、海草のヌルヌルした青黒い密林が、おどろおどろと乱れゆらいで、白い五
瓣
(
べん
)
の花が、ポッカリと咲き出でた。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは梅雨頃から咲きはじめて、一つが朽ちかかる頃には一つが咲き、今も六
瓣
(
べん
)
の、ひっそりした姿を
湛
(
たた
)
えているのだった。次兄にその名称を
訊
(
き
)
くと、
梔子
(
くちなし
)
だといった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
立寄りて草を分けて見れば、形
菫
(
すみれ
)
よりは
大
(
おほい
)
ならず、六
瓣
(
べん
)
にして、其薄紫の
花片
(
はなびら
)
に濃き紫の筋あり、
蕋
(
しべ
)
の色黄に、茎は糸より細く、葉は水仙に似て浅緑柔かう、手にせば消えなむばかりなり。
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
百花千
瓣
(
べん
)
の謎と化してしまうような事実が吐かれていった。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
石
(
いは
)
が根にともすれば寄る花の
瓣
(
べん
)
風無かりけり動きつつ
止
(
や
)
む
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
柳や
菩提樹
(
ぼだいじゆ
)
が
瓣
(
べん
)
の多い
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
生白
(
なまじろ
)
い五つの花
瓣
(
べん
)
はひとでの様に物欲しそうに、キューッキューッと海水を締め
掴
(
つか
)
んだ。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
江戸の
閑人
(
ひまじん
)
の好奇心は、途方もないところまで發展しました。落首と惡刷りと、グロテスクな見世物が、封建制の彈壓と、
欝屈
(
うつくつ
)
させられた本能の、已むに已まれぬ安全
瓣
(
べん
)
だつたのかも知れません。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
瓣
漢検1級
部首:⽠
20画
“瓣”を含む語句
花瓣
一瓣
五瓣
單瓣
安全瓣
羽瓣