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便
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べん
ふりがな文庫
“
便
(
べん
)” の例文
是
(
ここ
)
に於て守る者
便
(
べん
)
を得、連夜水を
汲
(
く
)
みて城壁に
灌
(
そそ
)
げば、天寒くして
忽
(
たちま
)
ち氷結し、明日に至れば
復
(
また
)
登ることを得ざるが如きことありき。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
韻
(
いん
)
も
平仄
(
ひょうそく
)
もない長い詩であったが、その中に、何ぞ
憂
(
うれ
)
えん
席序下算
(
せきじょかさん
)
の
便
(
べん
)
と云う句が出て来たので、誰にも分らなくなった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
選に
漏
(
も
)
れたる重要な作曲家のうちから、さらに数十人を
抽
(
ぬ
)
いて年代順に略伝し、その重要作品と優秀レコードを掲げて、参考に
便
(
べん
)
した次第である。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
陸路運輸の
便
(
べん
)
を欠いてゐた江戸時代にあつては、天然の河流たる隅田川と此れに通ずる幾筋の運河とは、云ふまでもなく江戸商業の生命であつたが
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
けれども
僕
(
ぼく
)
の
故郷
(
くに
)
は
二萬石
(
にまんごく
)
の
大名
(
だいみやう
)
の
城下
(
じやうか
)
で、
縣下
(
けんか
)
では
殆
(
ほと
)
んど
言
(
い
)
ふに
足
(
た
)
らぬ
小
(
ちひさ
)
な
町
(
まち
)
、
殊
(
こと
)
に
海陸
(
かいりく
)
共
(
とも
)
に
交通
(
かうつう
)
の
便
(
べん
)
を
最
(
もつと
)
も
缺
(
かい
)
て
居
(
ゐ
)
ますから、
純然
(
じゆんぜん
)
たる
片田舍
(
かたゐなか
)
で
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
蟠「うっかりしていた、困ったなア、
何処
(
どこ
)
かへ往って借りよう、通り道に
家
(
うち
)
があるだろう、構わず
便
(
べん
)
をしなよ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
政治家なる者が教育の学校を自家の
便
(
べん
)
に利用するか、または政治の気風が自然に教場に浸入したるものか、その教員生徒にして政の主義をかれこれと評論して
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
で、その
便
(
べん
)
を得るためにそこでだんだん頼みましたが幾ら金を遣るからと言っても誰も行ってくれない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
歐文
(
おうぶん
)
で
日本歴史
(
にほんれきし
)
を
書
(
か
)
くとき、
便宜上
(
べんぎじやう
)
日本年紀
(
にほんねんき
)
と
共
(
とも
)
に
西歴
(
せいれき
)
を
註
(
ちう
)
して
彼我
(
ひが
)
對照
(
たいせう
)
の
便
(
べん
)
に
資
(
し
)
するは
最適當
(
さいてきたう
)
な
方法
(
はうはふ
)
であり、
歐文
(
おうぶん
)
で
歐洲歴史
(
おうしうれきし
)
を
書
(
か
)
くとき、
西歴
(
せいれき
)
に
從
(
したが
)
ふは
勿論
(
もちろん
)
である。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
時に九月二日午前七時、
伏木港
(
ふしきこう
)
を発する
観音丸
(
かんのんまる
)
は、乗客の
便
(
べん
)
を
謀
(
はか
)
りて、午後六時までに
越後直江津
(
えちごなおえつ
)
に達し、
同所
(
どうしょ
)
を発する直江津鉄道の最終列車に間に
合
(
あわ
)
すべき予定なり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人の
足立
(
あしたて
)
がたき処あれば一
条
(
でう
)
の
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
き、春にいたり雪
堆
(
うづだか
)
き所は
壇層
(
だん/\
)
を作りて
通路
(
つうろ
)
の
便
(
べん
)
とす。
形
(
かたち
)
匣階
(
はこばしご
)
のごとし。
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
はこれを
登下
(
のぼりくだり
)
するに
脚
(
あし
)
に
慣
(
なれ
)
て
一歩
(
ひとあし
)
もあやまつ事なし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
家
(
いへ
)
には垣なければ
盜人
(
ぬすびと
)
入
(
い
)
り、
人
(
ひと
)
には咎あれば、
敵
(
てき
)
の
便
(
べん
)
となる。
厄
(
やく
)
といふのはそんなものだ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その子分として用いた者が多くは無学の
熊公
(
くまこう
)
八公
(
はちこう
)
の
類
(
るい
)
であったから、かくのごとき
紋切形
(
コンヴェンション
)
を
設
(
もう
)
け、これによりて
統御
(
とうぎょ
)
の
便
(
べん
)
を
計
(
はか
)
ったのも、あるいは止むを得なかったことであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
譬えばスナワチという
詞
(
ことば
)
にも
即
(
そく
)
の字があり、
乃
(
ない
)
の字があり、
則
(
そく
)
の字があり、
便
(
べん
)
の字があり、ヨルという詞にも
因
(
いん
)
の字があり、
由
(
ゆ
)
の字があり、
縁
(
えん
)
の字があり、
凴
(
ひょう
)
の字があり、
拠
(
きょ
)
の字があり
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
明朝までに
便
(
べん
)
を少量届けてほしいと頼んで医学士は帰っていった。
幻の彼方
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
こういう
場合
(
ばあい
)
は、
南蛮渡来
(
なんばんとらい
)
の
新鋭
(
しんえい
)
な
武器
(
ぶき
)
もかえって
便
(
べん
)
がわるい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陸路運輸の
便
(
べん
)
を欠いていた江戸時代にあっては、天然の河流たる
隅田川
(
すみだがわ
)
とこれに通ずる幾筋の運河とは、いうまでもなく江戸商業の生命であったが
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
姦言
(
かんげん
)
を
文
(
かざ
)
り、
近事
(
きんじ
)
を
摭
(
と
)
り、時勢を
窺伺
(
きし
)
し、
便
(
べん
)
に
趨
(
はし
)
り
隙
(
げき
)
に投じ、
冨貴
(
ふうき
)
を以て、志と
為
(
な
)
す。
此
(
これ
)
を
利禄
(
りろく
)
の
蠹
(
と
)
と
謂
(
い
)
う。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
冬分
(
ふゆぶん
)
は
往々
(
わう/\
)
敦賀
(
つるが
)
から
來
(
き
)
た
船
(
ふね
)
が、
其處
(
そこ
)
に
金石
(
かないは
)
を
見
(
み
)
ながら、
端舟
(
はしけ
)
の
便
(
べん
)
がないために、
五日
(
いつか
)
、
七日
(
なぬか
)
も
漾
(
たゞよ
)
ひつゝ、
果
(
はて
)
は
佐渡
(
さど
)
ヶ
島
(
しま
)
へ
吹放
(
ふきはな
)
たれたり、
思切
(
おもひき
)
つて、もとの
敦賀
(
つるが
)
へ
逆戻
(
ぎやくもど
)
りする
事
(
こと
)
さへあつた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
若
(
も
)
し建文帝にして走って域外に
出
(
い
)
で、
崛強
(
くっきょう
)
にして自大なる者に
依
(
よ
)
るあらば、外敵は中国を
覦
(
うかが
)
うの
便
(
べん
)
を得て、義兵は
邦内
(
ほうない
)
に起る
可
(
べ
)
く、
重耳
(
ちょうじ
)
一たび逃れて
却
(
かえ
)
って勢を得るが如きの事あらんとす。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
便
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
“便”を含む語句
小便
便所
便宜
方便
郵便局
大便
便宜上
便乗
郵便配達
音便
郵便船
不便
穏便
郵便
郵便函
便々
軽便鉄道
郵便脚夫
便次
御方便
...