べん)” の例文
みんの末の話である。中州ちゅうしゅう焦鼎しょうていという書生があって、友達といっしょにべん上流かわかみへ往ったが、そのうちに清明せいめいの季節となった。
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
べん州の西に板橋店はんきょうてんというのがあった。店の姐さんは三娘子さんじょうしといい、どこから来たのか知らないが、三十歳あまりの独り者で、ほかには身内もなく、奉公人もなかった。