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弁
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べん
ふりがな文庫
“
弁
(
べん
)” の例文
旧字:
辯
花柳
(
くわりう
)
に身を
果
(
はた
)
したるものゆゑはなしもおもしろく才もありてよく用を
弁
(
べん
)
ずるゆゑ、をしき人に
銭
(
ぜに
)
がなしとて
亡兄
(
ばうけい
)
もたはむれいはれき。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
夜などはどこに行ったのかちっとも帰って来ない。そういう事がたびたびあって用を
弁
(
べん
)
ずることが出来んので大いに困った事がある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この通り別に損のつかない問題なら、頼まれなくてもお
冗舌
(
しゃべり
)
をする。論説にこそ
豈
(
あに
)
弁
(
べん
)
を好まんやと書くけれど、決して無口の方でない。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
内大臣の子の
頭
(
とうの
)
中将や
弁
(
べん
)
の少将なども伺候の
挨拶
(
あいさつ
)
だけをしに来て帰ろうとしたのを、源氏はとめて、そして楽器を侍にこちらへ運ばせた。
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
もえ子 もういゝ加減に免しておあげよ、ねえ、
弁
(
べん
)
ちやん……。野見さんだつて、一人でなすつたことぢやないんだから……。
長閑なる反目
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
相良氏が舞台へ現われて来て、いよいよ事件は
白熱化
(
はくねつか
)
したと思いました。私は一生懸命で天文台の職分を守り、又先生の御命令に
弁
(
べん
)
じています。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
恰
(
あたか
)
も鷲の腹からうまれたやうに、少年は血を浴びて出たが、四方、山また山ばかり、
山嶽
(
さんがく
)
重畳
(
ちょうじょう
)
として更に東西を
弁
(
べん
)
じない。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
依之
増修
(
ぞうしう
)
の
説
(
せつ
)
に於て此事は
彼
(
かの
)
書に見しと
覚
(
おぼえ
)
しも、其書を蔵せざれば
急就
(
きうし
)
の用に
弁
(
べん
)
ぜず、
韈癬
(
べつせん
)
するが多し。
且
(
かつ
)
浅学
(
せんがく
)
なれば
引漏
(
ひきもら
)
したるも
最
(
いと
)
多かるべし。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
のみならず
咄嗟
(
とっさ
)
に思い出したのは
今朝
(
けさ
)
滔々
(
とうとう
)
と粟野さんに売文の悲劇を
弁
(
べん
)
じたことである。彼はまっ
赤
(
か
)
になったまま、しどろもどろに言い
訣
(
わけ
)
をした。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この
演説
(
えんぜつ
)
が見物をいっせいに
笑
(
わら
)
わした。子どもたちの黄色い声に親たちのにごった声も交じった。親方はかっさいを受けると、いよいよ図に乗って
弁
(
べん
)
じ
続
(
つづ
)
けた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それが
歌舞
(
かぶ
)
管絃
(
かんげん
)
の
伎
(
わざ
)
に携わっていて、それをアソビと謂い、アソビもまた偶然に同じ「遊」の漢字を
宛
(
あ
)
てて
弁
(
べん
)
じたので、どちらが元やら後には不明になったが
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
楠木正行との情話に仕立てあげてある「
弁
(
べん
)
ノ
内侍
(
ないし
)
」のことなどもまた、話は優雅にできているが、それも女子を一個の品とみている時代の女性観を知る以外には
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
荵
(
しのぶ
)
を仕立てる場所について、
植木室
(
うえきむろ
)
の側を折れ曲ると、そこには盆栽棚が造り並べてある。香の無い、とは言え誘惑するように美しい
弁
(
べん
)
の花が盛んに咲乱れている。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
仰いで
皎日
(
こうじつ
)
を
視
(
み
)
て、目
尽
(
ことごと
)
く
眩
(
げん
)
して後、
赤豆
(
せきとう
)
黒豆
(
こくとう
)
を暗室中に
布
(
し
)
いて之を
弁
(
べん
)
じ、又五色の
縷
(
いと
)
を窓外に懸け、月に映じて
其
(
その
)
色を別って
訛
(
あやま
)
つこと無く、
然
(
しか
)
して後に人を相す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
弁
(
べん
)
の
内侍
(
ないし
)
と千代野との別れなどは、チョボを十分に使って一部の観客を泣かせたのである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大きな
弁
(
べん
)
は卵色に豊かな波を打って、
萼
(
がく
)
から
翻
(
ひるが
)
えるように口を
開
(
あ
)
けたまま、ひそりとところどころに静まり返っている。
香
(
におい
)
は薄い日光に吸われて、二間の空気の
裡
(
うち
)
に消えて行く。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或は
畳
(
たゝ
)
めるは、
応
(
まさ
)
にこの時なるなからむや、今は山と、人と、石室と、地衣植物と、
尽
(
じん
)
天地を霧の
小壺
(
せうこ
)
に蔵せられて、
混茫
(
こんばう
)
一切を
弁
(
べん
)
ぜず、登山の騎客は
悉
(
こと/″\
)
く二合二勺にて馬を下る。
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
精神病者
(
せいしんびょうしゃ
)
に
相違
(
そうい
)
ないけれど、
花前
(
はなまえ
)
が人間ちゅうの
廃物
(
はいぶつ
)
でないことは、
畜牛
(
ちくぎゅう
)
いっさいのことを
弁
(
べん
)
じて、ほとんどさしつかえなきのみならず、ある
点
(
てん
)
には、なみの人のおよばぬことをしている。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
悲鳴をあげたのは、
白粉
(
おしろい
)
の濃い大年増、これは後で、玄々斎の女房のお
弁
(
べん
)
と知れましたが、三十五六の
小皺
(
こじわ
)
を、厚化粧で塗りつぶし、真っ赤に口紅を塗った——その当時にしては物凄い女です。
銭形平次捕物控:094 死相の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
剰
(
あまつ
)
さえ人夫らの
中
(
うち
)
に、寒気と風雨とに恐れ、ために物議を生じて、四面
朦朧
(
もうろう
)
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
ぜざるに乗じて、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか下山せしものありたるため、翌日落成すべき建築もなお
竣工
(
しゅんこう
)
を
告
(
つ
)
ぐる
能
(
あた
)
わざる
等
(
とう
)
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
ある時はわが大学に在りしことを
聞知
(
ききし
)
りてか、
学士
(
がくし
)
博士
(
はかせ
)
などいう人々
三文
(
さんもん
)
の
価
(
あたい
)
なしということしたり
顔
(
がお
)
に
弁
(
べん
)
じぬ。さすがにことわりなきにもあらねど、これにてわれを
傷
(
きづつ
)
けんとおもうは
抑
(
そも
)
迷
(
まよい
)
ならずや。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
石
(
いは
)
が根にともすれば寄る花の
弁
(
べん
)
風無かりけり動きつつ
止
(
や
)
む
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
拙
(
まづ
)
い
処
(
ところ
)
は
幾重
(
いくへ
)
にもお
詫
(
わび
)
をいたして
弁
(
べん
)
じまする。
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
得意
(
とくい
)
の
弁
(
べん
)
を
揮
(
ふる
)
ひ落語二席を話す。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
弁
(
べん
)
ジ其名実ヲ
覈
(
ただ
)
シ集メテ以テ之ヲ大成シ此ニ日本植物誌ヲ作ルヲ
素志
(
そし
)
トナシ我身命ヲ
賭
(
と
)
シテ其成功ヲ見ント欲ス
嚢
(
さき
)
ニハ其宿望遂ニ抑フ可カラズ僅カニ一介書生ノ身ヲ以テ敢テ此大業ニ当リ自ラ
貲
(
し
)
ヲ
擲
(
なげう
)
ツテ先ヅ其図篇ヲ発刊シ其事漸ク
緒
(
ちょ
)
ニ
就
(
つき
)
シト
雖
(
いえど
)
モ後
幾
(
いくば
)
クモナク悲運ニ遭遇シテ其
梓行
(
しこう
)
ヲ停止シ此ニ再ビ好機来復ノ日ヲ
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
花柳
(
くわりう
)
に身を
果
(
はた
)
したるものゆゑはなしもおもしろく才もありてよく用を
弁
(
べん
)
ずるゆゑ、をしき人に
銭
(
ぜに
)
がなしとて
亡兄
(
ばうけい
)
もたはむれいはれき。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
合奏は非常におもしろく進んでいった。歌の役を勤める殿上人は階段の所に集まっていたが、その中で
弁
(
べん
)
の少将の声が最もすぐれていた。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
カビ博士は、日頃のとつ
弁
(
べん
)
とはうってかわって雄弁に
論旨
(
ろんし
)
をすすめていた。しかし僕は白状するが、博士の熱弁を聞くのは、もうそのくらいで沢山だと思った。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、ここに
竹童
(
ちくどう
)
が、にわか
芸人
(
げいにん
)
の
口上
(
こうじょう
)
をうつして、
弁
(
べん
)
にまかせてのべ立てると、
万千代
(
まんちよ
)
はじめ、とんぼ
組
(
ぐみ
)
、パチパチと手をたたいて
無性
(
むしょう
)
にうれしがってしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
保吉はたちまち熱心にいかに売文に
糊口
(
ここう
)
することの困難であるかを
弁
(
べん
)
じ出した。弁じ出したばかりではない。彼の
生来
(
せいらい
)
の詩的情熱は見る見るまたそれを誇張し出した。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自然は公平なもので一人の男に金ももうけさせる、同時にカルチュアーも授けると云うほど
贔屓
(
ひいき
)
にはせんのである。この見やすき道理も
弁
(
べん
)
ぜずして、かの金持ち共は
己惚
(
うぬぼ
)
れて……
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と腹の中で
定
(
き
)
めながら、なお四辺を見て行くと、百姓家の
小汚
(
こぎたな
)
い
孤屋
(
こおく
)
の背戸に
椎
(
しい
)
の
樹
(
き
)
まじりに
粟
(
くり
)
だか何だか三四本
生
(
は
)
えてる
樹蔭
(
こかげ
)
に、黄色い四
弁
(
べん
)
の花の咲いている、毛の生えた
茎
(
くき
)
から
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
寝られぬまゝに
夜
(
よ
)
は更けぬ。時計一点を聞きて
後
(
のち
)
、
漸
(
やうや
)
く少しく
眠気
(
ねむけ
)
ざし、精神
朦々
(
もう/\
)
として
我我
(
われわれ
)
を
弁
(
べん
)
ぜず、
所謂
(
いはゆる
)
無現
(
むげん
)
の
境
(
きやう
)
にあり。
時
(
とき
)
に予が
寝
(
い
)
ねたる
室
(
しつ
)
の
襖
(
ふすま
)
の、スツとばかりに開く音せり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ついにはお胸の痛みが起こってきてお苦しみになった。
命婦
(
みょうぶ
)
とか
弁
(
べん
)
とか秘密に
与
(
あずか
)
っている女房が驚いていろいろな世話をする。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
或人
(
あるひと
)
問
(
とふて
)
曰
(
いはく
)
、雪の
形
(
かたち
)
六出
(
むつかど
)
なるは
前
(
まえ
)
に
弁
(
べん
)
ありて
詳
(
つまびらか
)
也。
雪頽
(
なだれ
)
は雪の
塊
(
かたまり
)
ならん、
砕
(
くだけ
)
たる
形
(
かたち
)
雪の
六出
(
むつかど
)
なる
本形
(
ほんけい
)
をうしなひて
方形
(
かどだつ
)
はいかん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こう云う時ほど生徒を相手に、思想問題とか時事問題とかを
弁
(
べん
)
じたい興味に
駆
(
か
)
られることはない。元来教師と云うものは学科以外の何ものかを教えたがるものである。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
呂宋兵衛はもとより、なみいる
猛者
(
もさ
)
どもも、この
奇童
(
きどう
)
のよどみなき
弁
(
べん
)
によわされてしわぶきすらたてず、ひろき殿堂は、人なきようにシーンと静まりかえってしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先達
(
せんだつ
)
ての二百円は、代助から
受取
(
うけと
)
るとすぐ
借銭
(
しやくせん
)
の方へ
回
(
まは
)
す
筈
(
はず
)
であつたが、
新
(
あた
)
らしく
家
(
うち
)
を
持
(
も
)
つた
為
(
ため
)
、
色々
(
いろ/\
)
入費が
掛
(
かゝ
)
つたので、つい其方の用を、あのうちで幾分か
弁
(
べん
)
じたのが
始
(
はじま
)
りであつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その一つの部屋を
窺
(
うかが
)
ってみるならば、大きな
金網
(
かなあみ
)
の中に百匹ずつ位のモルモットを入れ、これを実験室の中に置き、技師たちは皆外へ出た上で、室外から
弁
(
べん
)
を開いて室内へ、さまざまの毒
瓦斯
(
ガス
)
を送り
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
聊
(
いささ
)
か
弁
(
べん
)
ぜざるべからず、と横に見向いて
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
だれの顔も見るのが
物憂
(
ものう
)
かった。お使いの
蔵人
(
くろうど
)
の
弁
(
べん
)
を呼んで、またこまごまと頭中将に語ったような
行触
(
ゆきぶ
)
れの事情を帝へ取り次いでもらった。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
依之
増修
(
ぞうしう
)
の
説
(
せつ
)
に於て此事は
彼
(
かの
)
書に見しと
覚
(
おぼえ
)
しも、其書を蔵せざれば
急就
(
きうし
)
の用に
弁
(
べん
)
ぜず、
韈癬
(
べつせん
)
するが多し。
且
(
かつ
)
浅学
(
せんがく
)
なれば
引漏
(
ひきもら
)
したるも
最
(
いと
)
多かるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
の
趣
(
おもむき
)
にも似て。——
前
(
さき
)
の摂政ノ関白太政大臣から、左右の
近衛
(
このえ
)
ノ大将、大納言、八座の公卿、七
弁
(
べん
)
の高官、五位、六位の
蔵人
(
くろうど
)
、
諸司
(
しょし
)
の宮人までが、むらがり寄って来たのである。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聞いてゐると、与次郎
一人
(
ひとり
)
で天下が自由になる様に思はれる。三四郎は
尠
(
すくな
)
からず与次郎の手腕に感服した。与次郎は又
此間
(
このあひだ
)
の晩、原口さんを先生の所へ連れて
来
(
き
)
た事に就いて、
弁
(
べん
)
じ
出
(
だ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
外は
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
じないほど
闇黒
(
まっくら
)
だった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
懸河
(
けんが
)
の
弁
(
べん
)
を
不思議な島
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
弟の
弁
(
べん
)
の少将が拍子を打ち出して、低音に歌い始めた声が鈴虫の音のようであった。二度繰り返して歌わせたあとで、源氏は
和琴
(
わごん
)
を頭中将へ譲った。
源氏物語:27 篝火
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
已
(
すで
)
に
半途
(
はんと
)
にいたれば鳥の声をもきかず、
殆
(
ほとんど
)
東西を
弁
(
べん
)
じがたく道なきがごとし。案内者はよく知りてさきへすゝみ、
山篠
(
やまさゝ
)
をおしわけ
幣
(
へい
)
をさゝげてみちを
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と、すこし抜けている蛾次郎も、住みなれた土地の地理だけに、くわしく
弁
(
べん
)
じた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どこまでも同情だとか、愛だとか、正義だとか、自由だとか、
浮世
(
うきよ
)
の
勧工場
(
かんこうば
)
にあるものだけで用を
弁
(
べん
)
じている。いくら詩的になっても地面の上を
馳
(
か
)
けてあるいて、
銭
(
ぜに
)
の勘定を忘れるひまがない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
弁
常用漢字
小5
部首:⼶
5画
“弁”を含む語句
弁解
弁別
弁当
花弁
弁疏
一弁
俗説弁惑
通弁
安全弁
弁妄
訥弁
弁駁
陳弁
弁舌
弁口
弁償
抗弁
駄弁
詭弁家
抜弁天
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