くす)” の例文
旧字:
先生、先刻さっきお話しになったチースは大層消化を助けて身体からだくすりだと聞いてはいますがまだ世間の人は一向その食べ方を知らないようです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
怖いから眼をつぶったら、ガクリと音がしてうごいていた歯がぬけた。ポコンと穴があいて、血がいくらでも出る。口もゆすがせないで、きたない手でおじいさんは白い粉のくすりをつけてくれた。
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「これは、おくすりです。おかあさんが、れてくださったのです。」
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
第四十一 牡蠣雑炊ぞうすい は寝汗のくすりで普通の雑炊へ牡蠣と葱とを入れてしばらく煮たものです。食べる時に大根卸しを添えます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
お野菜でも出来秋できあきに食べるのが一番身体からだにおくすりなので、お野菜や植物が出来秋に持っている成分は必ず何かその時に必要の事があるのでしょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
西洋人は風邪かぜでも引くとぐこのチキンブローを食べますが大層身体からだが温まってくすりだと申します。大病人にはこのチキンブローをしてその重湯だけ食べさせます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
新米はこの糊精分が一層多くって味は結構ですけれども消化が悪くってかつ逆上のぼせる気味がありますからあまり新しいお米は食べない方がよし。食べるにしても古米と交ぜた方が身体からだくすりです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)