“薬湯”のいろいろな読み方と例文
旧字:藥湯
読み方割合
やくとう77.3%
くすりゆ13.6%
くすり4.5%
やくたう4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おしのははしを付けただけで、父に薬湯やくとうをのませようとしたが、「もうすぐに終るから」と云って、喜兵衛は算盤を置こうとしなかった。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
何でも薬湯くすりゆとか号するのだそうで、石灰いしばいを溶かし込んだような色に濁っている。もっともただ濁っているのではない。あぶらぎって、重たに濁っている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「今日はどんな様子じゃな」と、まず声をひそめて、薬湯くすりのにおいの中にしんとしてかしこまっている侍女かしずきのものに訊くのが例であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後年の自記に、阿部家に願つて、「湯島天神下薬湯やくたうへ三めぐり罷越まかりこす」と云ふことが度々ある。此入湯の習慣さへ既に此時よりあつたものと見える。介抱人がなくてはならなかつた所以ゆゑんであらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)