“薬湯(くすり)” の例文
旧字:藥湯
「今日はどんな様子じゃな」と、まず声をひそめて、薬湯(くすり)のにおいの中に寂(しん)としてかしこまっている侍女(かしずき)のものに訊くのが例であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昼も妻戸をほのぐらく垂れこめて、青金(せいきん)の砂子(すなご)のみが妖美(あやし)く光るふすまの隅に、薬湯(くすり)の番をしている侍女(かしずき)たちも、そこを隔てた姫の部屋を憚(はばか)るようにして、低声(こごえ)に答えるのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)