“くゆ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
77.2%
14.9%
6.9%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信一郎の心が、不快な動揺に悩まされてゐるのをよそに、秋山氏は、今火をけた金口の煙草をくゆらしながら、落着いた調子で云つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
寺の御堂にも香の煙くゆらし賽銭さいせんさえあがれるを見、また佐太郎が訪い来るごとに、仏前に供えてとて桔梗ききょう蓮華れんげ女郎花おみなえしなど交る交る贈るを見
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
相して貧きに失ふアヽあやまちぬとくゆるにつけても昨夜の泊り醉狂に乘じて太華氏露伴子に引別れたる事のおもなさよ今日は先に中津川に待ち酒肴しゆかう
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
しかし、その間熊城は、さも落ち着かんとするもののように、黙然とたばこくゆらしていたが、ややあってから悲しげに云った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
熊城はそれまで黙々とたばこくゆらしていたが、不意に顔を上げて
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)